その17

<17-1>調律師、至高の音を作る(髙木裕)

ピアニストの手元が見えて、音もバランスよく聞けるということでは、やはり正面の中央よりやや後ろの席になるでしょう。客席からステージを見て、ピアノ胴体の中央を、やや見下ろすくらいの位置です。特に設計の古いホールは、たいていステージが高いので、ステージを見上げるような前方の席は避けましょう。音は頭の上を通り過ぎていき、やせて、バランスはよくありません。自分の耳よりも楽器のほうが下でないと、よい音は楽しめません。

<17-2>水の未来(沖大幹)

2015年1月、ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは、「潜在的な影響が最も大きいと懸念されるグローバルリスクは水危機である」と発表した。

<17-3>デザインにひそむ美しさの法則(木全賢)

真珠業界では珠の大きさをミリメートル、珠をつないだネックレスの長さをインチ、珠の重さを匁で表記することになっている。

<17-4>中国ビジネスとんでも事件簿(範雲涛)

中国では「主任」という肩書きは、中央省庁クラスでは、国務大臣を意味する。組織の中でももっとも偉い役職なのである。

<17-5>酒乱になる人、ならない人(真崎敏弘)

子供が飲酒してはいけない理由
①頭が悪くなる。なぜならエタノールが神経細胞を殺してしまうからです。エタノールは成人の脳にある成熟した神経細胞を殺す作用は比較的弱いのですが、発達途上、特にシナプスを作って脳のネットワークを形成しつつある幼弱な神経細胞を殺す作用があります。人間の一生の中でもう一度だけ脳のシナプスが盛んに形成される時期があります。それが思春期なのです。従って思春期の神経細胞はエタノールの毒性に大変冒されやすい可能性があります。②精神的に大人になれない。思春期はその人間の行動パターン、特にストレスに対する反応などが決定される時期であると言われています。この時期に自分が経験するストレスを処理するにあたって飲酒への逃避の回路が形成されることは、その後の人生における対人関係の作り方やストレス回避のための正しい方法が身につかず、精神的な成長に大きな歪をきたすことになります。③長生きできない。この理由は大きく分けて2つあります。1つ目は、青少年の2大死因である自動車事故と自殺が、いずれも飲酒と高い確率で関連しているということです。

<17-6>部下を動かす人事戦略(金井壽宏・高橋俊介)

仕事の成果のフィードバックなきところに、人の組織の成長はない。

<17-7>なぜ飼い犬に手をかまれるのか(日高敏隆)

カラスは3日目には△と○を区別できるようになる。そこで△を□に変え、さらに5角、6角と多角形に変えて、次第に○に近づけていく。するとカラスは、24角形という人間でも○と区別しにくい印でも、ちゃんと区別してしまうことがわかった。しかも、カラスは一度学習したことは、少なくとも40日は覚えている。

<17-8>投資信託にだまされるな!(竹川美奈子)

金利と債券価格は逆に動くという特徴があるので注意が必要です。

<17-9>食の世界地図(21世紀研究会)

インドにカレーという名の料理はない。16、17世紀にインドの西海岸を植民地化したポルトガル人やオランダ人が、現地の常食である香辛料を多用したスープや煮込み料理などを「カリ」と記録したのが、カレーという英語の語源だという。カリの意味するところはよくわかっていない。

<17-10>食の戦争(鈴木宣弘)

アメリカ農務省高官も語ったように、今では日本人の1人当たりのGM(遺伝子組み換え)食品消費量は世界一と言われている。日本はトウモロコシの9割、大豆の8割、小麦の6割をアメリカからの輸入に頼っている。日本は毎年3100万トンを海外から輸入しているが、そのうちGM作物は合計で約1700万トンと推定され、日本国内の大豆使用量の75%、トウモロコシ使用量の80%、菜種使用量の77%がGM作物と考えられる。

<17-11>最強の競馬論(森秀行)

能力の高い芝馬ならダートでは楽勝してしまう。逆に、どんなにダートでは強い馬でも、芝にいったらまず勝負にならない。それほど、芝馬とダート馬ではスピードが違うのだ。

<17-12>おじさんの通信簿(秋元康)

迷惑は、自分を棚上げにした時に感じるものである。

<17-13>決断力(羽生善治)

実は将棋では、勝ったケースのほとんどは相手のミスによる勝ちである。本当のことだ。

<17-14>保険のカラクリ(岩瀬大輔)

医療保障の中核には国の健康保険があり、民間の医療保険はそれを補完するものに過ぎない、という大前提の理解が必要である。すべての国民は、手厚い保障を提供する医療保険にすでに加入している。国が運営する、健康保険である。

<17-15>不動産鑑定士・宅地建物取引主任者になるには(飯田武爾・森島義博)

不動産はその名の通り動かないものであり、工場で作って運んでくるというものではないので、100%お客様の希望に合うものはありません。私はよくお客様に「8割方いいと思ったら買ったほうがいいですよ」といいます。それ以上のものはほぼ存在しないか、売りに出ない、または予算的に無理と思われるからです。

<17-16>ブランドの条件(山田登代子)

日本の着物には長い職人生産の伝統がある。紬や友禅は、偽物がたくさんでまわる高級品であり、大量生産のきかない希少性もエルメスの場合と同じである。にもかかわらず、着物にブランドは存在しない。なぜだろうか。着物にはデザイナー・システムが存在していないからだ。友禅や紬は製品のクオリティと類別の名称であっても個々のデザイナーの名称ではない。

<17-17>若者はなぜ3年で辞めるのか?(城繁幸)

結果として、体育会系の彼らは並みの若者などよりは、ずっと従順な羊でいてくれる可能性が高い。つまらない仕事でも「上司に言われた以上はきっちりこなしてくれる。休日返上で深夜まで働き続けても文句は言わない」これが、企業が体育会系を好む最大の理由である。

<17-18>脳内麻薬(中野信子)

社会心理学者による長期的な面接調査によると、恋愛初期の感情の昂ぶりが持続するのは9カ月から2年だそうです。もちろん、それが終了したら関係が終了するというわけではなく、大半は「穏やかな愛情関係」に移行するようです。


<17-19>一生一回いのち一個(松原哲明)

人間だから失敗をする。失敗の原因は他人にはない。自分自身にある。そうして倒れた自分を立ち直らせるのも自分でしかない。他人が引き起こしてくれても、自分にその気がなければ、いつまでもフラフラしている。このことを肝に銘じておきたいものです。

<17-20>「会社のアカスリ」で利益10倍!(酒巻 久)

キャノン時代、たくさんの上司を見てきたが、「責任を持つ」といった人で、本当に責任を取った人はただのひとりもいない。

<17-21>大阪地名の由来を歩く(若一光司)

造幣局は設立当初から大阪が本局で、東京と広島に支局が置かれている。重要施設であるはずの造幣局がなぜ、東京ではなく大阪を本局としているのだろうか。それは、「世界に通用する高規格の貨幣による通貨統一」を急務とした明治政府が近代造幣工場建設のために、イギリス人貿易商のグラバーと造幣機械の売買契約を結んだのが、慶応4年4月、江戸城無血開城の前後だったことによる。そして、8月には、香港で調達された造幣機械が大阪に到着したが、この時点では旧幕府勢力との戦争が終結しておらず、その残党も江戸から一掃されていなかった。そこで新政府の支配が行き渡り、水運や地の利にも恵まれた大阪が、造幣局建設地として選ばれたのだ。

<17-22>すごい畑のすごい土(杉山修一)

ポットに植えたカエデの葉を昆虫に食べさせると、そのカエデの防御物質であるフェノール化合物の濃度が上がります。しかし、昆虫に食べられたカエデばかりか、その隣の食害に遭っていないカエデまでもフェノール化合物の濃度が増し、昆虫に食べられにくくなったのです。まるで、植物が周りの状況を感知しているかのように振る舞うのです。この現象は、食害を受けた植物が隣の無害な植物に情報を伝えて、食害を防ぐために防御物質を合成するように指示を出しているとしか解釈できません。つまり、植物も動物のようにコミュニケーション能力を持っているということです。

<17-23>ウイスキーの科学(古賀邦正)

ウイスキー樽の「呼吸」によって樽から蒸散するエタノールなどの揮発成分の量は、貯蔵庫のある土地の気候風土の違いにもよるが、最初の年は2~4%、それ以降は年に1~3%であるといわれている。480ℓの樽であれば、最初の年に10~20ℓ、それ以降は年に5~15ℓのウイスキー原酒が蒸散していることになる。

<17-24>酒に謎あり(小泉武夫)

「景気がよい太平の世には辛口の酒が、乱世や不景気の世には甘口の酒が流行する」という。その理由として、乱世や不景気、米不足の世は、酒不足のため少量で満足のいく甘口酒が、また酒がふんだんにある太平の世には、飲み飽きしない辛口酒が流行するものである。

<17-25>外資系トップの仕事力(ISSコンサルティング)

「6・12・6の法則」。職場を移ると、最初の6ヶ月はまず覚える。次の12ヶ月でそれをマスターして、変える必要があるところは変える。そして最後の6ヶ月でどーんと結果をだすんです。これでちょうど2年。すると2年で新しい仕事に移れる。