吸血蚊

 温暖化のせいにはしたくないのであるが、蚊に刺される期間が長くなってきたような気がする。近年は3月末ごろから11月初めごろまで刺される。梅雨から夏にかけての雨上がりなどは恐ろしい程蚊がいる。首周りから顔まで刺される。家庭菜園をしていると、毎回4~5か所は刺される。順応してきたのか、かゆいのは30分程度である。その後はかゆみも刺された跡形もなくなってしまう。したがって、それほど大がかりな蚊対策をとっていない。携帯用の蚊取り線香を2個腰にぶら下げているだけである。この2個というのが肝である。全く無防備では蚊にぼこぼこに刺される。おそらく数えきれないくらい刺されるだろう。作業をするにも、目と目的物との間に数匹の蚊が目に入り作業に集中できない。それよりも貧血になるのではないかというほど多くの蚊に刺される。携帯用の蚊取り線香を1個腰につけるだけでかなり効果は出てくるが、風向きによっては刺される。2個携帯すると、ほぼ刺されることはなくなる。ただ、手を伸ばして作業をしているときなどは、風向きによっては手を刺される。手首に蚊取り線香つけることはできないので、4~5か所は刺されることになる。しかし、この程度は許容範囲ということになる。防虫スプレーを塗布すれば効果はあるのであるが、汗をかくのと、それが野菜に付くのが嫌なので使用していない。

 蚊を嫌いながらも、繁殖に協力しているところがどうも納得いかない。家庭菜園内に池があるのである。という言い方をすると、どれほど広大な家庭菜園かと思われるが、実は火鉢(直径60cm)である。これを池と呼んでいるのである。ラズベリーが生えているところを森と呼んでいるので、それへの対比で池と呼んでいる。この池にハスを植えているので、常時水が満々と入っていて、蚊の産卵場所になっている。ここに産卵していることは間違いない。何とか繁殖を抑えようと、ここにヒメダカを10匹入れた。はたして効果があるのかどうか? 確認するために、メダカのえさを購入して入れてみた。すると、すぐに浮き上がってきて、ぱくぱくと食べ始めた。ボウフラを食べてお腹がいっぱいかと思ったが、どうやら腹ペコであったらしい。効果はあまり期待できそうにない。何せ恐ろしい吸血蚊のボウフラである。ヒメダカが怖がって近づかないのかもしれない。ひょっとすると食べられてしまうかもしれない。やはり頼れるのは携帯用の香取線香だけということになるのか? 最近得た知識では、蚊はレモングラスの匂いを嫌うらしい。ということで、さっそくレモングラスを植えた。まだ、薬効を確認するほど大きくなっていないので、今後の成長が待たれる。ハーブの薬効で感動したことがある。かつて、四国の渓流で釣りをしようとしたとき、全く釣りにならなかった。アブである。体を常時動かし続けないと、十匹程度のアブに刺されるのである。目に見えている数が十匹程度で、それと同数程度が背中側にいるのであろう。恐ろしい数である。竿を出すことさえできず、釣具屋へ逃げ込むこととなった。釣具屋の親父が言うには、ここはアブが多いから、釣り人はみんなハーブを練りこんだ腕輪をするのが常識だよ、と教わった。さっそく2個購入して左右の腕に装着した。効果は絶大で、ようやく釣りをすることが可能となった。とはいえ、全く寄り付かなくなったというわけではない。数匹は来るのであるが、足元だけで腕や顔までは上がってこない。この時、ハーブの匂いというものの効果を初めて知った。

 自宅近辺で蚊を媒介とする感染症が発生すると、間違いなく一番最初に感染するだろう。そんな不名誉なことで新聞やテレビに出るのはごめんである。そろそろ本格的に防蚊対策を講じる必要がありそうである。