発酵食品

 発酵食品は体にいいという。だから食べるというのではなく、美味しいから食べるのである。それも市販品ではなく、自作のものである。具体的には漬物、黒ニンニク、ヨーグルト、甘酒である。漬物については、「たくあん(その1)(その2)」、黒ニンニクンは「黒ニンニク」を参照願います。ここではヨーグルトと甘酒について書いてみたい。これらを作るにあたりどうしても必要なものがある。それは長時間にわたり一定温度に保温が可能な装置である。かつては堀炬燵や湯たんぽを使用することで一定温度を確保したものである。今の時代、そのようなアナログなものを使用して作るには面倒すぎる。もっと簡単にそれを可能とする製品がある。製品名としては某電機メーカーが出している「ヨーグルトメーカー」なるものである。これを使えば、「ヨーグルト」「塩こうじ」「納豆」「甘酒」等、が簡単にできる。これらのうちで、日常的によく食べ、かつ手軽にできるものということで、ヨーグルトと甘酒を作ることにした。

 ヨーグルトは非常に効率がいい。パック入り牛乳(1リットル)に市販のヨーグルトを混ぜて、40℃で8~10時間保温すれば出来上がり。出来上がったヨーグルトの一部を次回用の種として保存しておけば、永遠に使用することができる。菜園で収穫したブルーベリーやイチゴを使ったソースを掛ければさらに味わい深いものとなる。なかなか上品なデザートの出来上がりである。味を変えたいときには、市販のヨーグルトの種類を変えれば、いろいろな味わいを楽しむことができる。カスピ海ヨーグルトのとろみは感動ものである。

 甘酒はヨーグルトのようなわけにはいかない。必ず米麹を購入しなければならない。出来上がった甘酒を種に作ることはほとんど不可能である。薄過ぎるのである。しっかりと毎回米麹を入れる必要がある。ご飯は自宅で炊いたものでもいいし、パック入りでも構わない。これを鍋に入れ水を足して軟らかくなるまで煮る。粗熱が取れたら米麹を入れまんべんなく混ぜ合わせる。これを容器に入れてヨーグルトメーカーに入れる(大量に作るときは炊飯器の保温機能を使用。ふたは閉めず布巾をかぶせる)。温度はヨーグルトに比べるとかなりの高温である。60℃で6~7時間である。甘酒は米麹で味が変わる。やや糠くさいものやほとんどにおいがないもの、甘みが非常に強いもの等、いろいろである。自分の好みに合ったものを選べばいい。米麹は高価なのが難点である。甘みを押さえたければ米麹の量をやや少なくすればいい。こちらも一度におよそ1リットル作ることができる。1リットルのヨーグルトや甘酒は1週間で食べきってしまうので、そのたびにアトリエに設置しているヨーグルトメーカーでつくっている。夜セットしておくと、翌朝には出来上がっている。それをタッパに入れて冷蔵庫で保存している。甘酒は保存中にさらに甘みを増す。これらによる整腸作用はものすごいものがある。この件に関しては、文章で表現しても伝わりづらい。それでもというのであれば、少ない語彙を駆使して、きれいな表現を試みることにする。「色、形、量、臭い、何よりも浮力が違う」「今までに見たことのない光景を目にすることができる」と表現すれば理解してもらえるだろうか? とにかく実体験してもらいたい。腸内細菌の日和見菌がすべて善玉菌になったような感じがする。

<残念ながら写真の添付はありません。各自の目でお確かめください。>