ドンゴロスエプロン


 ドンゴロス作品の第3弾である。家庭菜園用のエプロンを作ってみた。これは「ひまつぶし(その他)」のドンゴロスバッグと並べようと思ったが、使用目的がはっきりしているのでこちらへ掲載することとした。

 作品作りに使用するにはちょっとごわごわしていて、繊細な作業をする時には不向きである。そんなドンゴロスエプロンも家庭菜園には、うってつけの作業がある。汚れ作業や、重量物の運搬という時には最適なエプロンである。まず色である。汚れても目立たない色合いであるため、作業を終えても汚れているのかどうかさえ分からない。基本的に汚れていなければ(汚れが目立たなければ?)洗濯の必要がないのである。したがって、いつまでもきれいで、手のかからないエプロンということになる。続いて、重量物の運搬である。菜園ではしょっちゅう重量物を運搬する。代表的なものはプランターである。プランターの土を入れ替える場合は、20~30個を菜園と庭の間を移動させる。1個20kgとしても30個を往復すると1.2トンということになる。これを普通に持てば確実に腰痛になる。それをいかに軽減するかということで、重さの大半を腿に掛けるのである。そのためエプロンのこの部分には強度が要求される。プランターを持ち運ばず、台車を使用すればいいのでは? という声も聞かれそうであるが、住宅事情がそれを許さないのである。つまり、狭すぎて台車が通れないのである。プランターを持って、カニのように横歩きをしながらの移動である。

 ドンゴロス自体が長方形の袋でエプロンのような形をしているので、あとは角を取ってやれば完成ということになる。これでドンゴロスを二重にした強度のあるエプロンになる。ドンゴロスの形をそのまま使用できるので、製作は非常に簡単である。あとは使い勝手をいかに良くするかということだけである。その第一はポケットである。ポケットの位置と大きさ、これさえ決まればもうできたようなものである。とにかく大きく、頑丈であることが最優先である。ジーンズの生地を鋲で固定する。ドンゴロスは生地の目が粗く、このままでは鋲が打てない。裏側はポケットの外形に合わせて皮が張り付けてある。ここに鋲を打つのである。これで鋲が外れず十分な強度が確保できる。これで人がぶら下がっても取れないくらい丈夫に取り付けることができる。エプロンを固定する紐は肩に食い込むこと防止するため、太めのものが使用できるようにした。ひもを取り付ける部分は大きな輪にしてある。これが最強のエプロンという理由である。

 家庭菜園でのきつい作業はいろいろあるが、土を動かす作業が最もきついと思っている。小さなプランターや植木鉢に土を入れて動かす分には何とも感じない。それがある程度の規模になるとずっしりと応えるのである。土という形のないものをそのままでは持つことはできない。持てるような入れ物に入れなければならない。その入れる作業も結構きつい。そしてそれを持って移動する。きつくて当然である。そのきつさを支えるのが、丈夫なドンゴロスエプロンである。末永く付き合っていきたいものである。そしてわずかでもきつさを軽減してもらいたい。