10.需要と供給

 これは富士山ヒルクライムの(おまけ3)として書いたものであるが、ちょっと趣旨が変わるので独立させた。

 ヒルクライムは乗鞍と富士山の2回経験した。どうしても納得がいかないことがあるので書いておくとこにした。それは、需要と供給の極端なアンバランスがもたらす不利益についてである。両ヒルクライムでも記したが、宿泊施設に対する需要と供給のアンバランスである。乗鞍ヒルクライムで4000人、富士山で10000人が参加する。エントリーが本番の前日であるから、近隣の人以外はすべて宿泊施設を必要とする。しかし、乗鞍、富士山ともにこれだけの人数を宿泊させるには設備が足りない。そこで、会場からどんどん遠くなるところしか泊まれなくなる。そして値段もかなり高額である。富士山ヒルクライムで取れた宿泊場所は、会場から9kmも離れたところである。会場まで上り坂をロードレーサーで行くので、ウォーミングアップというには度を越している。これだけではない。風呂は共用のシャワーのみ、トイレも共用、部屋はエアコンのみ、TV、冷蔵庫はなし。タオル、歯ブラシもなし。廊下を人が歩けば丸聞こえ。隣の部屋の話し声も丸聞こえ。これが食事なしで8000円である。どう考えても高すぎる。しかし、これを拒否すれば、さらに遠い場所になるか、参加を取りやめることになる。ヒルクライムの実施日が公表された翌日に宿泊施設を探してこれである。

 帰りに寄った横浜では、今はやりの最安値で泊まれるホテル検索をすると、シティーホテルが朝食付きで6160円で泊まれた。横浜中華街駅から5分である。もちろん風呂、トイレ付である。タオル、歯ブラシ、髭剃りも付いている。TV、冷蔵庫、湯沸しポットもある。廊下を人が歩こうが、隣に人がいようが全く聞こえない。おまけに、シングルが満室ということでツインを提供された。これはあくまでもおまけであるが・・・。入室から退室まで使わなかったベッドが目障りでしょうがなかった。部屋に空気を入れたままでは収益につながらないが、人を入れれば利益が出るのである。これも需要と供給の関係である。

 需要と供給のバランスが崩れると、これほどまでに大きな違いが出るのである。時間に余裕があれば、需要の少ないときに出かけるのが最適である。ヒルクライムのように設備の少ないところへ大勢が出向くと供給側の言いなりにならざるを得ない。金額はどうしようもないが、会場までの距離に関しては早い者勝ちである。いい設備を確保するためには、何をおいても早い時期の予約が必要になってくる。大きなヒルクライムは、毎年実施日が決まっている。富士山ヒルクライムは6月の第2日曜日、乗鞍ヒルクライムは8月の最終日曜日等である。試しに、来年の富士山ヒルクライムの日程で宿泊設備の予約を試みた。インターネット予約では、年内までの予約しか受け付けていない。そこで直接宿泊施設へ問い合わせてみたところ、<5か月後まで>、<年内>、<丸1年先まで>の予約可能という回答があった。そこで1年先まで予約が可能としている宿泊設備に予約状況を聞いてみた。実施日である2018年6月10日(日)の前日は、まだ誰も予約していないとのことであった。今予約すれば確実に宿泊が可能であるが、会場までの距離はまだかなり遠い。実施日が公表されてからでは遅すぎるが、1年前からでは早すぎて、特定の宿泊施設しか予約できない、ということがわかった。さらに条件のいいところを目指すのであれば、年末から年明けごろからがいいということになるのだろうか。

 宿泊施設に関しては、今後ヒルクライムを考えるうえで非常に重要なことなので、ここに追記することにした。とはいえ、今回の富士山ヒルクライムでは、富士吉田と横浜の2泊をトータルすればとんとんということになった。めでたしめでたし、ということにしておこう。