ミツバチ

 花の1つずつに口を近づけ受粉させていく。もちろんそんな意図で近付いているのではないが・・・。蜜を吸うために花に止まっているのであるが、その数たるや気が遠くなる。ブルーベリーの木が5本あり、それらがほぼ一斉に花を咲かせる。その数、数千、いや万の単位かもしれない。それを一つずつ回っていくのである。結構気まぐれで無秩序に見える。印を付けるわけではないので、何度も同じ花に近づくこともあるだろう。昼過ぎから来たミツバチは1匹で作業を続けている。もう少し仲間を呼んでくれば早く終わるのにと思うのだが。ミツバチもこの時期は結構忙しいのかもしれない。毎日ここへやってくるミツバチは1匹だけである。しばらくあちこちの花を飛び回り、そのうちにいなくなる。クマバチもやってくるがこちらも必ず1匹である。人間の力で数千、数万という花を受粉させようと思えば大変な労力である。ブルーベリーのように口の小さな釣鐘状の花は、人間の手では受粉させられない。毎年、確実に実が付いているところを見ると、これだけの量の受粉をやり遂げてくれたのである。感謝のひとことである。

 夏になり、これらが完熟するとうれしい収穫である。大量に収穫できれば保存のきくジャムやソースをつくる。秋ごろになり、イチゴジャムを食べつくすと、次は冷凍保存しておいたブルーベリーの出番である。ブルーベリーを解凍してジャムにする。この時、窓を開けて作業をしていると、ミツバチが入ってくることがある。果実の匂いなのか砂糖の匂いなのかはわからないが、2度ほどミツバチが入ってきたことがある。部屋の中をぐるぐる回っているのであるが、どこかに止まるというようなことはない。受粉してもらったお礼に少し分けてやりたいのだが、こちらは砂糖が入って100℃以上に沸騰し、別府温泉の坊主地獄のようになっている。申し訳ないが、やるわけにはいかない。それがわかるのかどうかはわからないが、ひとしきり部屋の中を飛び回った後出て行ってしまう。未練がましく戻ってくることはない。春先にあれだけ熱心に受粉してもらっていながら、恩返しできないのはちょっと心苦しい思いである。次回のジャム作成時には、小さな皿を用意し、冷やせるようにしておくことにしよう。・・・とは思いつつも、できればブルーベリーの花から集めた蜂蜜で、ジャムを作ってみたいものである。何とか“スプーン印上白糖”とはちみつの交換ができないものかと策めぐらす毎日である。

 

  <ブルーベリーの花3種>