カナヘビ

 最近、菜園内でよくカナヘビを見かけるようになった。以前に比べると、数は結構いると思われる。カマキリよりも多く見かける。それもそのはず、カマキリは保護色で、じっと獲物が来るのを待ち伏せして捕まえるので、いてもほとんど目立たない。それに比べると、カナヘビは自分から獲物を捕まえに行くので、動き回りその姿をよく見かけることになるのだろう。加えて、水が嫌いなため、せっかく草や落ち葉の下に潜んでいても、水を撒くと一斉に逃げ出してくるので、すぐに存在を知られてしまう。逃げ方に特徴がある。菜園内を横へ走って逃げればわからないが、必ずといっていいくらい菜園周りのブロック塀へ登るのでよく目立ってしまう。しかし、外側の道路へは下りない。ブロック塀の裏側まで逃げると、そのまま横走りをして水の掛からないところまで行く。そのあとはまた菜園内に戻ってくる。水に対する対処法とその後の対応はしっかりと心得ている。カナヘビは変温動物であるため冷水をかけられるのは大迷惑なのだろう。そのため、冷たい水がかかると必死で逃げ出そうとするのである。特に、夏の井戸水は最悪であろう。35℃を超えるような外気温で、18℃の冷水を掛けられたらたまったものではない。これだけ命にかかわるような危機を感じながらも、決して菜園から出ていこうとはしない。それだけ菜園内は居心地がいいということだろう。

 そんなカナヘビであるが、数年前から子カナヘビを見かけるようになった。最小のものは5cmくらいである。5cmといっても尻尾が非常に長いので、頭から胴体部分は本当に小さなものである。小さいながらも親そっくりの体で、せわしなく動き回っている。菜園内には十分すぎるくらい害虫がいるので、食べ物には不自由しないはずである。決して自慢するわけではないが、単位面積当たりの害虫の数では町内で一番だと自負している。だから、間違っても益虫を食べるようなことはしないでもらいたい。そのあたりは親カナヘビから十分な教育を受けてから、菜園デビューをお願いしたい。

 寿命は数年間あると思われるので、冬の間は冬眠しているのであろう。菜園内のどのあたりで冬眠しているかはわからないが、願わくば耕作部分は避けてもらいたい。耕運機が縦横無尽に走り回るので命の保証ができない。ブルーベリーの丘やメダカ池の近辺、あるいは耕すことがないフキ畑、ラズベリーの森あたりにしてもらいたいものである。今後はそのあたりに暖かそうな落ち葉や残渣を積み重ねて最適な環境を提供することにしよう。最近のわが菜園では、ジョロウグモがめっきりと減り、大型ハンターとしてはカマキリと並び大事な存在となっている。たまにはじっくりと向き合って、そのすばらしい姿態を写真に収めさせてもらいたいと思っている。そしてこのコーナーで紹介させてもらいたいと願っているが、動きが早すぎてまだ実現できずにいる(※1)。

※1:子カナヘビを見かけて2か月後、大きくなったカナヘビを見つけたので、記念撮影をした。