干芋

 夏も終わりようやく涼しくなってきた。そろそろサツマイモの収穫時期である。コガネムシの幼虫に食べられる前にすべて掘り上げた。時期的にはちょっと早かったので、小さな芋が多かった。これらはすべて干し芋にする。しっかりと中心部分が半透明になるまで蒸す。中が白っぽくなっていると、ねっとりとした干し芋にならず、ぱさぱさになってしまう。爪楊枝を刺して、中心部分の様子をうかがう。そろそろよさそうだと判断し、取り出したアツアツのサツマイモの皮をむく。もちろんやけどをしないように手袋をしてむくのである。このとき、厚めに皮をむくのがコツである。そうするとしっとり、ねっとりとした干し芋に仕上がる。こうして皮をむいたサツマイモをザルに乗せて天日干しである。天気がいい日を狙って作らないと、全部カビだらけになってしまう。本来はもっと寒くなってから作るものであるが、それまで保存しておくとサツマイモが萎びてしまう。

 この時期、干し場が手狭になる。ガレージの屋根から吊るしたネットが干し場である。この時期は、ピーナツが2ザル、トウガラシが1ザル、そしてこのサツマイモである。これ以外にも干しネット(3段)が2個ある。こちらには、収穫時期がずれたトウガラシが入れてある。もう少しすると、ウコン、ショウガがエントリーする。1年で最も干し場が混雑するときである。それだけに晴天が続くかどうかで、すべての食材の運命が左右される。

 干しあがったものは冷蔵庫で保存すればしばらくはもつ。食べるときはレンジでチンしてもいいが、ストーブでじっくりとあぶるのがいい。中まで柔らかくなり、さらにおいしくなる。しかし、難点が一つ、歯のあちこちにくっつくのである。これにはちょっと閉口である。

 先日などは、干場が混雑しうまく日が当たらなくなるので、車(RV車)の天井にザルを乗せて干した。駐車場の真ん中であるからよく日が当たる。買い物に行くのに車を利用したが、天井のザルに気が付かなかった。RV車は天井が高く、ザルに気が付かなかったのである。結局、ザルに気が付いたのは、買い物からの帰り道に大きなザルが落ちているのを見た時である。大慌てで、ザルだけを回収して帰った。ほぼ乾燥していた切り干し大根は道路に散らかったままである。それにしても結構長く屋根に乗っていたものである。数回カーブを曲がっているが、落ちなかったのである。それ以来、ザルはボンネットに置くことにしている。

<完成>

 

<直径60cmのザルがずらり>

 

<3段ネットもフル活用>