メヒシバの侵略

 雑草にも好きなタイプと嫌いなタイプがある。好きなタイプはハコベ、ツユクサ、ホトケノザである。嫌いなタイプはハタケニラ、ドクダミ、そしてメヒシバである。その他大勢の雑草には特に関心がない。好き嫌いの基準ははっきりとしている。手ごわいかそうでないかである。ハコベやツユクサ、ホトケノザは、跡形もなく簡単に引き抜ける。それと同時に爽快感が得られる。このような雑草なら、大きくなるまでの間、しばらくくつろいでもらっても一向にかまわない。邪魔になったころを見計らって一気に抜き去る。茎が切れることもなく、根まで確実に抜き取ることができる。あとは乾燥させて土に戻す。これに比べて嫌いなタイプはとんでもなく手ごわい。ハタケニラについては、今後もうしばらく観察をしてから掲載することとするので、それを参照してもらいたい。もうほとんど気絶寸前までの恐ろしさである。ドクダミは以前触れた。ここでは3強の一角をなすメヒシバについて書いてみたい。茎をもって引き抜くと切れてしまう。そこで茎の集合している部分をつかもうとすると、少し指を土にめり込まさなければならない。しかもつかめるのはほんの一部分である。したがって、指の握力が相当ないと引き抜けない。幸いにもここさえしっかりとつかめれば、根は確実に抜けてくる。垂直に入った根は、かなり長いので抜きがいがある。すーーーっと、抜けてくる気持ちの良さがある。しかし、これもしばらくで、そのあとは握力がなくなり、茎の根元全体をつかめず、ぷちっ、と切れてしまう。とにかく指の力がないと対応できない雑草である。この雑草は自立できず、地面にべたーーっと伸びていく。それだけであればまだしも、茎の節々から根を出す。広がるうえに草全体が根で土をつかんでいる。こうなると結構困難を伴うので、なるべくなら早めの対応が必要である。ということは分かっているのであるが、まだまだ大丈夫、まだ大丈夫と思っているうちに急に成長する。人が見ているうちはあまり伸びないのであるが、ちょっと油断をすると一気に伸びるような気がする。気のせいなのだろうが、一概にそうとも言えないような気がする。これらの雑草は夏の終わりから秋にかけて、恐ろしいほどの数の種をまき散らしているのである。あまりにも種が小さく目立たないので助かるが、もし、これが大きくてはっきりと見えるようなものであれば、おそらく失神してしまうだろう。1株抜く大変さがわかっているだけに・・・。

<まだまだ大丈夫>

 

<まだ大丈夫>

 

<あっ、あ~ぁ、手遅れ>