その10

<10-1>ウイスキーの科学(古賀邦正)

ウイスキーの英語のスペルには、「whisky」と「whiskey」の2種類があり、前者はスコッチ、カナディアン、ジャパニーズで用いられ、後者はおもにアイリッシュ、アメリカンで用いられている。「アーリータイムズ」は、ラベルに「whisky」と記載している数少ないバーボンの1つである。

<10-2>人はダレもがリーダーである(平尾誠二)

組織の中でいくら大きな力を持っていても、代えはきく。けれども、組織の外に影響力を持っている人間のポジションは、ほかの人間がとって代わるわけにはいかない。大切なのは自分の強みをいかに伸ばし、活かすかということだ。それが「代えのきかない」存在になる近道である。

<10-3>経営の構想力(西浦裕二)

新聞というメディアが持つ特性は「検索不要な一覧性」という特徴がある。メディアが多様化すればするほど、テレビが多チャンネル化すればするほど、そしてインターネットによる情報提供が溢れれば溢れるほど、この新聞が持つ特徴が意味を持つ。

<10-4>なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか(有本香)

スイスあたりを見習って、最低でも全国民が1年間食べるに困らないだけの食料を日本各地に計画的に備蓄する方針を確立する必要がある。スイス国民は、その年に取れた小麦はすべて備蓄に回し、前年の収穫分を食べているという。古米ならぬ古小麦で作るから、スイスのパンは不味いとも言われている。

<10-5>定跡からビジョンへ(羽生善治、今北純一)

一局の中で考えなくてはならない箇所はだいたい決まっているのです。プロの将棋の場合、初手から終盤までの手数は平均すると120手ほどです。お互いに60回ずつぐらい指し手を選択し合って勝負がつくのですが、その間、お互いにほとんど定跡のような手を指し合っているのです。いわゆる、結論とか意見が食い違う局面というのは2、3箇所しかないのです。つまり、そこで勝負が決しているわけです。

<10-6>独裁者の最強スピーチ術(川上徹也)

「ストーリーの黄金率」とは以下のようなものだ。①何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公が、②なんとしてもやり遂げようとする遠く険しい目標・ゴールを目指して、③数多くの障害・葛藤・敵対するものに立ち向かっていく。この3つの要素がスピーチに含まれていると、人は感情移入しやすく、心を動かされやすく、行動に駆り立てられやすくなる。

<10-7>からだに効くおやじメシ(浜内千波)

山芋などのように消化分解酵素が豊富に含まれているものを食べると、体臭が予防できるんですよ。

<10-8>なぜ宗教は平和を妨げるのか(町田宗鳳)

精神科医ジェラルド・ポトスはテロリストがテロを辞めない理由は、そこに「成功の脅威」という論理が働いているからだとしている。テロリズムが成功して、政治的目標が達成されてしまうと、自分たちの存在理由がなくなってしまう。自分たちの集団が生き残っていくためには、つねに次の攻撃目標が設定できる程度に、成功しておかなければいけないのだ。

<10-9>敬天愛人(稲盛和夫)

私は人間のあるべき姿を追求することにより、経営のよって立つべき座標軸も明らかになると信じている。経営というものは、経営者の人格投影でしかあり得ない。そのため、人間として正しい判断基準を持てば、それは必ず経営の実践の場においても有効に機能するはずである。

<10-10>600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス(上坂徹)

「検索に関しては、クオリティと速度の両方について、高いレベルが必要になると考えていました。ところが、検索キーワードの分布を出してみると、約200語が8割くらい占めていることがわかったんです。一方で、めったに探されないけれどクックパッドでしか得られないようなレシピもありました。つまり、この2つを切り分けて設計することによって、クオリティと速度の両方を実現させることができると考えたんです」

<10-11>そんな食べ方ではもったいない(山本益博)

私が始めての店で一番安いコースを注文するのは、その店の料理への姿勢を知るには、まず基本のメニューを食べてみるのが一番だと思うからです。

<10-12>ブランドの条件(山田登代子)

日本の着物には長い職人生産の伝統がある。紬や友禅は、偽物がたくさんでまわる高級品であり、大量生産のきかない希少性もエルメスの場合と同じである。にもかかわらず、着物にブランドは存在しない。なぜだろうか。着物にはデザイナー・システムが存在していないからだ。友禅や紬は製品のクオリティと類別の名称であっても個々のデザイナーの名称ではない。

<10-13>できる人できない人(安田佳生)

素材も大事だが、教育と環境も無視できないということは覚えておいていただきたい。

<10-14>最強の経営学(島田隆)

情報の4段階。最初にデータをきちんと集める。そのデータを加工し、インフォメーションにまで高める。そこから自分の頭を使って、それをインプリケーションへとジャンプさせる。そしてその示唆するところから、ジャッジメント=意思決定を行なう。そうなって初めて、情報は経営に生かされる。

<10-15>食の世界にいま何がおきているか(中村靖彦)

イギリスなどでは肉骨粉、日本では配合飼料を与えていた。消化がよく栄養価が高い資料を与えることで、搾る乳の量が増える。かつては、北海道でも年間5,000キロを搾ることが目標の時代もあった。現在は、そんな時代はとっくに過ぎて、7,000キロ、8,000キロは当たり前、10,000キロも珍しくない。

<10-16>木に学ぶ(早川謙之輔)

常緑樹でも葉は交換しているのだが、落葉樹のように1年周期ではない。重ね合わせるようにして入れ替わっていく。そのために常緑に見える。

<10-17>社長!決算書のココを読みなさい(日野上輝夫)

「他人の保証は絶対しない」のが鉄則である。保証を依頼する人、保証する人の両方とも会計を知らない経営者といえる。

<10-18>さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(山田真哉)

「チャンスロス」は、実際に得られなかったものをゼロとするのではなく、マイナスとする考え方なのである。

<10-19>生物と無生物のあいだ(福岡伸一)

半年、あるいは1年ほど会わずにいれば、分子レベルではわれわれはすっかり入れ替わっていて、お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や分子はもうすでにあなたの内部には存在しない。

<10-20>こんなに使える経済学(大竹文雄)

プロ野球選手には4~6月生まれの人が多い。284人に対し早生まれの1~3月の選手は118人と半分以下であった。サッカーJリーグの選手も同様の傾向が見られた。4~6月の生まれの子供が、早生まれの子に比べて体格的に有利で、その幼児期の成功体験が刷り込まれ、野球やサッカーを続けるかどうかの判断や、本人の自身に影響を与えたのではないかと考えられる。JRAのジョッキーは、4~6月生まれが19人なのに、1~3月生まれは62人もいた。学力の面ではどうか、日本の中学2年生に数学と理科の偏差値を生まれ月ごとに比べた結果、ともに4~6月生まれの方が偏差値が高かった。小学4年生でも同じ傾向となった。4年制大学の卒業生の結果は、男女ともに4~6月生まれの方が学歴が高い傾向にあることがわかった。

<10-21>パリの職人(吉村葉子)

名前と苗字の間にde、つまり前置詞のドが入っている人は、もと貴族なのである。

<10-22>決断力(羽生善治)

「実践で進行する10手先の局面を想定することができるか」プロの棋士の集まりで、こんなことが話題になったことがある。「できない」というのが一致した結論であった。

<10-23>夢とビジョンを語る技術(野口吉昭)

腐る現場ほど、腐ったりんごの化粧をしてしまうものだ。腐ったりんごは、隣の腐ったなしを生み、腐ったみかんを生むようになる。企業は現場から音も立てずに崩れていく。

<10-24>社長を出せ(川田茂雄)

どんなクレームでも「クレームは企業にとって大変有効なものですから大切に扱わなければならない」ということです。

<10-25>食料争奪戦争(浜田和幸)

地下貯蔵庫に集められた多くの種子は、数千年の保存期間が保障されている。大麦の場合は2000年、小麦で1700年、とうもろこしでは2万年もの長期保存を目指すという。現在、すでに300万種類の種子が保存されている。米と麦に限っても20万種類を超える。