サツマイモスイーツ

 サツマイモの最もポピュラーで美味しい食べ方は焼き芋である。それ以外では蒸すか煮るである。これらは日持ちがしないので大量につくることができない。もっと日持ちをさせようと思えば干し芋という手がある。

 今年も大量にサツマイモが収穫できた。しかも収穫に失敗したためびっくりするぐらい大きな芋が収穫できた。サツマイモを収穫するときは、試し掘りをして、イモの大きさを確認する。小さければもうしばらく様子を見る。ちょうどいい大きさなら一斉にすべてを収穫する。今年は試し掘りをした苗があまりにも未熟だった。イモが小さいのでしばらく様子を見ていた。しかし、今までのデータを見てみると、例年より2週間程度遅れている。これはと思い掘ってみると驚きの大きさである。大きなものはカボチャくらいの大きさである。これを1個使い切るような食べ方は見つからない。焼く、蒸す、煮る、のどれを選択しても大変である。このままの状態では、どの方法をとっても絶対に中まで火が入らない。焼く、蒸す、煮るにはあまり興味がわかない。では、干し芋にしようかとも思ったが、今までの経験からあまり大きな芋は干し芋には向かない気がする。何とかこれらを美味しく食べる方法はないかと、あちこちレシピを探した。大量に作れて保存がきくというのが条件である。このようなスイーツが作れないか? 出てくるのは大学芋、サツマイモグラッセ、スイートポテト等である。どれもあまり気乗りがしない。何かいいものがないかと数日悩んでいた。

 ふと浮かんだのが、サツマイモの牛乳煮である。大きなサツマイモを鍋に入る大きさに切り水で煮る。柔らかくなれば取り出し皮をむく。この時大事なのは薄皮ではなく厚めに皮をむくことである。皮と実の間にある数ミリの厚さの部分はどういうわけか美味しくない。干し芋を作る時もこの部分は取り除く。そうして皮をむき終わったものを鍋に入れて牛乳をたっぷりと注ぐ。生クリームを入れるとさらに美味しい。もちろん砂糖は入れない。ここで重要なのは、フッドミキサー(注1)を使うことである。これで撹拌すると見事な舌触りになる。とろりとして何の異物も感じない。うっすらとついたとろみがさらにスイーツ感を高める。これで完成である。これらを保存用のタッパに入れて冷凍保存である。日持ちはするし、美味しいし、食物繊維は豊富だし、小腹を満たすには十分なスイーツである。もちろん砂糖を使っていないので罪悪感なく食べることができる。しかし、罪悪感は消えるがカロリーは消えない、ということをすっかりと忘れていた。ありがたい家庭菜園の恵みであるが、あまりお腹周りを恵まれた状態にはしてほしくないものである。

注1:本体から20cm程度の棒状の物が取り付けられ、その先端に回転する刃物が付いたもの。これを回転させることで、粉々に砕くことができる。上記のサツマイモであればほとんどきれいなペースト状になる。

<大豊作>

 

<フッドミキサー>

 

<冷凍保存中>