ニンニクとミミズ

 何とも不思議なタイトルである。こんなタイトルのコラムを書くとは思ってもみなかった。しかし、書かざるを得ないような光景を目にしたので書くことにした。信じがたい内容であるが、写真を添付するので理解してもらいたい。

 毎年ニンニクを50個前後栽培している。収穫後、これらは夏すぎまでは生で食べるために、軒下の日陰に吊るして保存している。それ以降は発芽が始まるので保存できない。そこで食べきれなかったものは、醤油漬けや酢漬け、黒ニンニクにして保存する。そして翌年収穫するまでの期間はそれらを食べることになる。50個前後栽培したニンニクを1年間で食べきるということは、1週間で1個消費するということである。家族はほとんど食べないので1人でこれを消費しているのである。口臭だけでなく体臭までニンニク臭くなっているかもしれない。「無色透明」「無味無臭」「人畜無害」をモットーとしている割には大きな矛盾である。健康のためにはそんなことはお構いなしである。

 そんなニンニクであるが、例年の収穫時は茎をもって一気に引き抜いていた。ところが今年はそれをすると、収穫時期が少し遅かったせいもあるが、すべて茎が切れてしまうのである。茎が弱くなっていることもあるが、根がしっかりとしていることにも原因がある。根が地中深くまでしっかりと入り、土をがっちりとつかんでいる。それを力任せに引き抜こうとすると茎が切れてしまう。しょうがなく、スコップで土を持ち上げ、根を土から放して収穫することになった。数本抜いたところで気がついたのは、ミミズがやけに多いなということである。1株に1匹が決められたように付いている。髭のような根に絡みつくようにミミズが1匹潜んでいる。気のせいかと思ったが、収穫した50個のニンニクのほとんどすべてにミミズが付いていた。小さなミミズではなく、太さが7~8mm、長さは10cmくらいである。毎年このようなことが起きていたのかもしれないが、茎をもって引き抜いていたので気がつかなかった。気がついてみるとなんとも不思議な気分になる。ニンニク、ネギ、タマネギ、ニラなどは臭いが強く、あまり虫を寄せ付けない。したがって、わが菜園でもこれらは優等生である。害虫による被害というものを受けないからである。もちろんミミズは害虫ではなく益虫である。土を耕し養分を分解してくれるありがたい存在である。その益虫がこれほど大量に繁殖することに感謝をしなければならない。

 わが菜園でも耕運機で耕したときは時々ミミズを見ることはあるが、これほど大量のミミズを一度に見たことはない。これを見る限り、わが菜園はなかなかすばらしい環境であることがわかる。

 それにしても不思議なのは、ミミズとニンニクの関係である。ニンニクの何がミミズを引き寄せるのだろうか? 食べ物以外には考えられないが・・・。臭いで寄ってきたところで、食べ物がなければどうにもならないであろう。ミミズの好物がそこには存在するのであろうか? これらの関係は継続議題として今後も調査する必要がある。

<根に絡むミミズ>

 

<出てきたミミズの一部>