その9

<9-1>沈みゆく大国アメリカ(堤未果)

世界一高いアメリカの医療費を毎年ぐんぐん押し上げている最大の原因は、何と言っても「薬代」。繰り返すようだが、アメリカは日本と違い政府が薬価交渉権を持っていないため、製薬会社は自社の薬に好きな値段をつけ放題、まったくの一人勝ちだ。

<9-2>グルメの嘘(友里征耶)

30万部刷ったのにかなりの部数が売れ残っていると言われている、「ミシュラン・ガイド東京2009」。上陸2年目で、早くも大きな挫折を味わったはずなのですが、新体制を構成する人々の辞書には、反省や一時退却といった文字はなかったようです。掲載拒否の連続で誰もが発売しないと予想した京都版ですが、悔し紛れというかプライドを維持するためか、拒否されても載せる戦略に転換しました。しかし写真がないのでページが稼げない。予算がないので調査員を増員して掲載店を増やすことも難しいことから、オマケに大阪を入れてしまいました。

<9-3>保険のカラクリ(岩瀬大輔)

ある評論家は、テラ銭はパチンコ屋で2割、競馬で2割5分、宝くじで5割強。生命保険は、それらより悲惨なギャンブルだと評した。

<9-4>世界奇食大全(杉岡幸徳)

美味だからこそ、宗教や権力によってタブーとされたものもあるのだ。その証拠に、美食の料理として有名なフランス料理と中華料理にこそ、最も奇食が多いのである。

<9-5>蕎麦屋酒(古川修)

茹で上がった蕎麦切りの状態では、新蕎麦といえども香りはあまりしないものだ。蕎麦の本当にいい香りを楽しみたかったら、蕎麦打ちにチャレンジしてみることだ。蕎麦粉に加水した時に本当の蕎麦の香りがする。その後、水回し、捏ね、延ばし、切りの作業を経て麺体となるが、それが茹でられると香りはほとんど飛んでしまう。

<9-6>これから食えなくなる魚(小松正之)

魚粉は船で日本まで運ばれるが、赤道を越えて輸送する場合、エトキシキンなどの抗酸化剤を使用することが国際規則で定められている。なぜなら、乾燥した魚粉が発火することが心配されるからだ。魚粉に使用されれば、当然、養殖された魚にも蓄積されると考えられる。しかし、このエトキシキンは発がん性があり、日本では農薬としての使用も禁止されている。

<9-7>トヨタはいかにして「最強の社員」をつくったか(片山修)

人間はそんなに簡単には環境の変化について行けない。人が変わるには、慣れ親しんだ年月と同じだけの年数が必要といわれる。年月が加われば加わるほど、変えることに躊躇する。それは、蓄積してきたものの重みを知っているからであり、それを否定することは自分を否定することになりかねないからである。

<9-8>調律師、至高の音を作る(髙木裕)

「どの楽器とも相性がよい」というホールはほとんどありません。「ピアノに向いていても声楽には不向き」といったように、やはりそれぞれ長所短所があります。すべてに順応するようなオールマイティなホールを目指すと、結局個性のない多目的ホールになってしまいます。東京都内では、紀尾井ホール、浜離宮朝日ホール、第一生命ホール、東京文化会館小ホールなどは、ピアノと非常に相性のよいホールです。

<9-9>クラウド・コンピューティング(西田宗千佳)

「コンピュータは、世界に5つあれば事足りる」そう語ったのは、サーバーなど、企業システムやインターネット・インフラを支える機器のトップメーカー、サン・マイクロシステムズのCTOグレッグ・パパドポラスである。

<9-10>汚染される身体(山本弘人)

大都市の暮らしていて何のアレルギーにもならない人は、10人に1人もいないのである。

<9-11>由伸・巨人と金本・阪神崩壊の内幕(野村克也)

今は番組の内容よりも、視聴率最優先だから、視聴率の取れる人材を選ぶ。昔は中身が重視されていた。時代は変わってしまった。野球はテレビ局とともに成長してきた。しかしテレビ局とともにダメになっていくような気がする。

<9-12>100億稼ぐ超メール術(堀江貴文)

無駄な会議はいらない。メーリングリストがあれば事足りる。

<9-13>図解で考える40歳からのライフデザイン(久恒啓一)

最近の脳の研究では、年をとると情報量が加速的に増えて、思い出すまでに時間がかかるだけだというようなこともわかってきましたから、物忘れは能力のダウンではないとのことです。

<9-14>日本料理の真髄(阿部弧柳)

日本人は美味しいものを探し、その持ち味を味わうことを第一としてきました。まずいものをうまく調理して食べようとはしなかったのです。一方、外国の料理はどんな素材でも、できるだけうまく加工して食べることを目的として発展してきました。そこが日本人の料理に対する考え方と大きく違うところです。

<9-15>パンデミック(小林照幸)

もともと東南アジアにおけるインフルエンザの流行は、例年6月から8月の雨季がピークである。

<9-16>若者はなぜ3年で辞めるのか?(城繁幸)

かつて、Jリーグ名古屋グランパスエイトを天皇杯優勝に導いた名将ベンゲルは、インタビューのなかで非常に意味深なコメントをしている。「日本人は与えられた役割を果たすのは得意だが、状況を主体的に判断して行動するのは苦手だ」

<9-17>組織行動の「まずい!!」学(樋口晴彦)

現実に組織内に存在する情報でありながら、最も入手が困難なものが不祥事に関する情報である。

<9-18>時代が変わった(堺屋太一)

仕方と仕組みを変えるには、これまでの正義と正当を捨てるしかない。それが「時代が変わった」ということだ。これを認識する必要がある。

<9-19>分社経営の実際(遠藤泰弘)

分社経営を導入するに際し、最も大きな問題は、ヒトの問題です。ヒトの問題に比べれば、カネ、モノすなわち資産・負債の処理や営業譲渡の手続きなどは、取るに足らないほどだといって過言ではないでしょう。

<9-20>コクと旨味の秘密(伏木亨)

ネズミは自分に必要なカロリーを摂取することができたら食べることをやめてしまいます。何種類かの餌を目の前において自由に食べさせても合計カロリーを計算すると驚くほど一定です。自然に食欲に制御がかかるのです。

<9-21>韓国が漢字を復活できない理由(豊田有恒)

作家の陳舜臣さんからの受け売りだが、面白い話なので、紹介させてもらう。日中戦争のさなか、日本のゼロ戦は、無敵の猛威を奮っていたが、中国軍パイロットは、日本軍のスローガンを見て、せせら笑って、留飲を下げたという。「見敵必墜の精神」というスローガンだ。「敵を見れば、必ず落とす」というつもりなのだろうが、中国の文脈で言うと、これがおかしいのだという。撃墜の墜の字は、自動詞なのだそうである。つまり、墜ちるという意味である。敵を見たとたんに、必ず墜ちる戦闘機では、笑われても仕方がない。

<9-22>ソニー中村研究所 経営は「1・10・100」(中村末広)

工場長の真の付加価値は厳然と存在する。工場の付加価値の流れをもっと効率よくするように変えることである。工場のどこに真の付加価値があるかを見極め、その真の付加価値部分だけを集められるように、作業工程を変えてゆく。つまり、工場の形を変えるということだ。

<9-23>ソニーの「出井」革命(立石泰則)

組織などの改革は短期間に行うことができても、「人材育成」はもっとも”生産効率”の悪い仕事と指摘されてきたように、かなりの時間を要するものだ。

<9-24>宮大工千年の知恵(松浦昭次)

木材の変化だけでなく、江戸時代の規矩術のように手軽にマニュアルばかりの世の中では、大事なものをなくしていくことになると思いますね。マニュアルが悪いとは言いませんが、職人がマニュアルに頼るようになったらおしまいですよ。無心に木と向き合い、木材と向き合い、技術と向き合うから、新しいものが生まれてくるのです。

<9-25>つきあい好きが道を開く(樋口廣太郎)

人間は損するとどうしてもそれを取り返そうと無理をする。その結果、ますます損を増やしていってしまう。だから、まだ損が小さいうちに、その仕事に区切りをつけることが大切で、損はそのまま受け入れてしまうことだ。大きな損に発展させてしまうよりは、ずっとましだ