地球

 寄せ植えにもいろいろな方法がある。庭への直植えやプランターに飾り付ける場合もある。手っ取り早いのはプランターである。プランターが小さいと、植える草花はさらに小さくなる。そのまま大きくならなければ、それなりに形作ることもできるが、それらは次第に大きくなる。それぞれの植物の最終形を知らないと、わずか半年でやり直しということになってしまう。庭植えで最もいい例が新興住宅地の庭である。寄せ植えというにはちょっと意味合いが違うかもしれないが、面白いので取り上げてみる。近所にできた新築の家にはわずかばかりの庭がある。そこに木や花などの植物が彩りよく、配置もうまく植えられている。さすがにプロの仕事だと思わせる仕上がりである。しかし、これは2~3年が限度である。それ以降は見るも無残な姿になる。全く手入れがされていないので木は伸び放題である。木の先端は早くもベランダに到達している。枝は道にはみ出している。あまりにもみっともないと思ったのか、先端と枝を切り落としてしまった。木は表面に多くの葉を付けているので、これらを切り落とすとほとんど幹と枝だけになってしまう。魚の骨状態である。その下で植物が入り乱れてだらしなく広がっている。これなら何も植えない方が利用価値の高い庭として使えただろうと思われる。庭は新居を購入する時の見た目ではなく、数年後、あるいは最終形を見定めた植物の選定が必要である。建築会社のデザイナーが考えた庭ではなく、庭師が考えた庭でなければならない。

 この作品は最終形を予想して植えたものである。したがって、植え初めの様子は、貧弱、不格好、植物虐待、不思議、いったい何?・・・、といった感じである。しかし、そのような事は一切気にせず、ひたすら最終形態を予想しながら各植物を調整していく。ジャングル、砂漠、草原、海、等々・・・。残念ながら南極は地面と接触するためなしということになった。最初は苔玉のように吊るすことを考えていたが、土を入れ、植物を植えたところ相当な重量になったのであきらめた。もし吊るそうものなら、間違いなく事故が発生するだろう。簡単に想像できることを実行する勇気はない。北極は作ってもよかったが、ただでさえ寒い作品がさらに冷えそうなのでやめた。完成途上の写真も添付しておく。インドを正面に据え、オーストラリアが右下あたりに見える。左側のよく茂ったところがアフリカ大陸である。その手前の黄緑のところがマダガスカル島である。ちょっと茂り過ぎたので、手入れが必要である。

 これは以前の作品であるサボテンの木とは違い、球体の中はすべての植物の根が絡み合っていることだろう。そして激しいバトルが繰り広げられているものと思われる。強い植物も弱い植物も、球体の表面から見る限りではわからない。それなりに涼しい顔で日常を過ごしている。植物は根の量でその生命力を知ることができる。同じような大きさの植物でも植木鉢の一部にしか根を張らないものや、植木鉢中に根を張るものがある。持ち上げると、土のすべてを根が包み込み、全く落とすことなく持ち上がってくるような植物もある。ここでは無駄な争いを避けるために、常時適量の肥料を提供することにしている。

 球全体に植物が植えられているので、当然裏側の植物には陽が当たらない。これでは不公平である。いくら作品とはいえ、生き物が相手であればこれはよくない。平等を原則とするわが菜園では、均等に陽が当たるように手動で自転させている。ただ、せっかく自転させても翌日が曇りや雨では意味がないのだが・・・。日照時間までは管理していない、というあまり自慢できない自転である。"それでも地球は回っている"

さて、これは何でしょう?


地球でした