害獣

 雑草や害虫、害鳥はこのコラムでいろいろと書いてきた。ここまでの内容で済んでいたということは、ここが山間部ではなく住宅街であるからである。山間部の代表的な害獣はイノシシであろう。ここから数キロ山間部へ行くと、畑の周りはすべてフェンスで囲まれている。それだけ害獣の被害があるからだろう。

 その害獣が、ある日わが菜園へやってきた。3日間連続で大雨が降り、菜園に行くことさえできないくらいであった。時期的には、ミニトマトがそろそろ最盛期を迎えようかというときであった。このころになると2日に1度は収穫をする。完熟したミニトマトがザルに一杯収穫できる。3日間雨で収穫ができなかったので、4日目にはザルに2杯程度の収穫を見込んでいた。いそいそと出かけてみると、全く色付いていない。それどころか、色付いた皮があちこちに散らばっている。なかなか見事な食べっぷりである。ザルに2杯分を食べつくされてしまった。近所の方の話しでは、同じくトマトが集中的に食べられていた。それ以外の野菜も食べられ全滅したところもある。食べられたトマトの位置と食べかすから、タヌキかハクビシンあたりが犯人であろうと思われる。数年前にも1度被害を受けたことがある。まだ完熟にはしばらくかかるであろうと思われたスイカが全滅した。おいしくなかった腹いせか、それとも他に熟したものがあるかもしれないと思ったのか、全部割って少しずつ食べられていた。被害はこの一度だけで再度来ることはなかった。

 菜園は周りをネットで囲ってあるが、まったく小動物が入る隙間がないかというとそうでもない。角の部分やネットの下の部分にはわずかながら隙間がある。そこからネコがしょっちゅう入ってくる。おそらく今回の侵入者もそこから入ってきたのであろう。ここで栽培しているミニトマトは、寝酒用の焼酎のつまみになるという非常に重要な役割を担っている。したがって、これをかすめ取られてしまうと、1日の楽しみの半分くらいを失うことになる。何が何でもこれを阻止しなければならない。最重要課題に指定し、迅速にかつ確実なもので防御することにした。作業時間は2時間、寒冷紗を使用しほぼ想定通りの完璧な防御ネットを張ることができた。トマトを収穫するときは、ネットの上側を外し、ネットを下げて収穫することになる。ワンタッチで外せるが、害獣が引っ張っても外すことはできない。このネットを張ってからは害獣に楽しみを奪われることなく、毎夜美味しいつまみを肴に寝酒をしている。

<完璧な防御ネット>

 

<トマトの食べかす>