ペーパーナイフ

 

 ペーパーナイフはメンテナンス(さび対策)を考慮して、材質はステンレスとした。グリップは紫檀、ヒルトは真鍮である。黒檀でもよかったが、ちょっと明るくするために紫檀にした。これも黒檀同様に固く比重が大きい。したがって、どっしりとしたものに仕上がる。ペーパーナイフの要点は2つ。一つは先端、もう一つは刃である。先端については、鋭利過ぎてはいけない。あまり鋭利だと、中身の切ってはいけないものまで引っかけて破いてしまうことがあるからである。ほんのわずかな丸みを持たせておく必要がある。丸すぎると、封書の隙間からナイフを差し込めない。これらを両立させることができる丸みが必要である。刃についても同様に、切れすぎてはいけない。切り裂くのではなく、やや引き裂く程度の切れ味がベストである。これで切ると、見事に封が切れて中身がすっと出てくる。しかし、最近送られてくるのは、中身を見ないで捨ててしまうようなダイレクトメールばかりである。宝の持ち腐れ状態となっている。しかし、錆びつく心配がないので救われている。