先日、10年来使用していたうちわの使用が危うくなってきた。紙が破れ、風がやや優しくなってきた。糊で貼ってもちょっと耐えられそうにないので改修することにした。バケツに水を満々と入れ、そこにうちわをどっぷりと浸けこんだ。半日置きうちわを取り出し、きれいに紙を取り除いた。竹の骨が1ヵ所折れているが、これは十分に耐えられると判断し乾燥させた。
さて和紙の手配であるが、どうしたものか? いろいろ思案を巡らしていると、数年前に障子の張替えをした時の残りがあることを思い出した。物置の隅っこに丸めて置いてあった。広げてみたところ、十分な大きさがあり使えることが分かった。うちわに合わせて切り取り、洗濯糊をたっぷりとつけて貼り合わせた。乾燥後、型通りに切り取り周りを補強した。
たかがうちわである。購入してもそれほど高価なものではない。しかし、このうちわはアトリエでエアコンの効きが悪い時に非常にお世話になった。あのくそ暑い中でともに戦ってきたのである。樹脂製のうちわは多数あるが、これでは共に戦えない。1ストロークでくる風の量が違う。おまけに風が速すぎて涼感に欠ける。そこへ行くと竹製のうちわは最適である。ゆっくりと手首を動かし、柔らかい風を送ることができる。アトリエではなく、場所が場所なら風情というものを感じることができる。
風の確認ができたところで、真っ白で殺風景な両面に何か絵が欲しい。いや、字の方がいいか? 字は見るに堪えないほど下手である。では絵は? これも見るに堪えないほど下手である。同じ下手なら絵の方がましか?