コーヒーカップウオーマー

 

 1年を通じてコーヒーはホットである。1日4杯程度飲む。自宅では2、3杯といったところである。暑くてもとにかくホットがいい。いくら暑い夏でも、ホットコーヒーの温度は維持できない。せいぜい冷める速度が冬よりもゆっくりとなる程度である。冬はアトリエが寒すぎて、あっという間に冷めてしまう。コーヒーはがぶがぶと飲むものではなく、ゆっくりと時間をかけ、作業の合間に一口ずつゆっくりと飲みたい。

 冬はストーブの上部を改造して、コーヒーウオーマーを設置してある。これで最後まで熱々のコーヒーを飲むことができる。では、ストーブの使えない夏はどうするか? ここでも一工夫である。電熱器を改造してコーヒーを冷めないようにしている。熱量が大きいため、手が届く範囲に置くと暑くてたまらない。部屋の温度も上がるし、弊害の方が大きい。これではせっかくのホットコーヒーも台無しである。汗を流しながらでは味も半減である。何とかならないものか。いろいろと調べていると、「カップウオーマー」なるものを見つけた。しかし、どの製品を見ても機能に関する詳細がほとんど載っていない。あるのは「XX会員」になるとYY%値引き。といった内容が多い。たまに詳細が載っていると、50~60℃程度の保持、となっているが、真偽のほどはよくわからない。

 結局信用できるのは自分の作品のみである。ということで、コーヒーカップウオーマーを作ることにした。早速材料探しである。とにかく熱を発することができて、小型であることを条件に、ホームセンターや家電量販店をうろついた。歩けば見つかるものである。ホームセンターで小型のタコ焼き器(温度フューズ、サーモスタット付き)を見つけた。直径が22cmである。

 ものが手に入れば後は簡単な加工をするだけである。まず、薄手のアルミ板をタコ焼き器の内径に合わせて切断する。これで18個ある穴をきれいにふさぐことができた。これだけで十分に利用は可能なのだけれども、これでは使用可能面積が広すぎる。カップを置いた時に小指をやけどすることも考えられる。そこで木の枠を設置することにした。枠に熱が伝わらないように足(木ねじ)をつけた。これをアルミ板の上に乗せることで、安全かつ見栄えのするコーヒーカップウオーマーの出来上がりである。製作のポイントは2つ。1つは、アルミ板はハサミで切断可能な薄さにすること。もう一つは、木製の枠に付ける足は3本にすること(3本であれば凸凹があってもぐらつかない)。

 真夏でも部屋の温度を上げることなく、いつまでも熱々のホットコーヒーを飲むことができる。将棋を指すわけではないので、それほど長考せず、さっさと作品を作ってしまえよ! と、言われてしまえばそれまでであるが・・・。この時間が楽しいのである。楽しみ過ぎて、コーヒーカップウオーマーのスイッチを切り忘れることがある。これは危険である。そこで安全装置を設置することにした。それにはLED電球が連動で点くようにしてある。部屋を出るときに、電球の明かりがスイッチの切り忘れを教えてくれる。

 創造力の枯渇がはなはだしい昨今、寿命の長いLED電球がうらやましい限りである。

<薄いアルミ板>

 

 

<たこやき器>

 

<木製枠>