ゴンシュラン

 その日に食べるランチは1回きりである。そのランチに失敗すると、ものすごく損をしたような気分になる。今日のランチは今しかないのに、こんなまずいものを食って、おまけにお金までとられる。こんな経験を何度となくしてきた。まずいランチを食べた後は、その日1日気分が悪い。しかし、安くて美味いランチに出会えると思わず、「やった! 当たり!」と、ガッツポーズをとってしまう。食の雑誌等でいろいろな店がジャンル別に紹介されているのを見かけるが、決してすべてがいい店とは限らない。製作者側からすると、1冊の本を作らなければならないのである。うまい店だけですべてのページ数を埋められるとは限らない。そうなると、それなりの店でも入れざるを得なくなってくるのではないだろうか。すべての店がまずければ問題だが、何割かの店がうまければそれでよしといった本も見かける。そんなわけもあってか、1冊の本でいい店に巡り合えるのは数店ということもある。そのほとんどが知っている店であったりすると、本を買った意味がなくなってしまう。

 阪神間(その他地域も若干あり)の店を時間をかけて、自分の足とお金で食べ歩き、これなら大丈夫(個人的な感想)といった店を紹介する。それは、味であったり、値段であったり、量であったりと、特定した理由ではない。「その日に食べるランチとしては、十分に価値のあるランチである」と思えた店の紹介である。あくまでも個人的なものであるので、店関係の方、客として訪れた方からの苦情は一切受けない。ここに紹介した店以外にもいい店はたくさんある。ここで紹介するのはショップカードのみで、ランチの写真や内容説明は一切行っていない(金額・メニューがいつまでも同一とは限らないため)。したがって、ショップカードを作っておられない店は紹介できないのである。

 これらランチをやっておられる店の多くは、ランチで収益を得ているとは思えない。メインはあくまでもディナーである。そのため、ランチで満足された方は、ぜひディナーにも足を運んでもらいたい。決して損はないと思う。おいしいものを食べ、おいしい酒を飲み、楽しい会話を楽しむ、これぞ人生の満たされた時間である。

注1)店舗の移転、閉鎖やランチの中止等があるので事前に確認をお願いします。

注2)高級店はほとんどピックアップしていない。理由は満足して当たり前だからである。それでも、ピックアップせざるを得ないほど感動した店は別である。