その16

<16-1>上司は思いつきでものを言う(橋本治)
 
「愚かな上司と正しい部下」の組み合わせはあり、「愚かな上司と愚かな部下」の組み合わせもあって、「正しい上司と愚かな部下」というペアはないのです。
 
<16-2>クリティカル・シンキング(リチャード・ポール)
 
どんな知識も完璧なものはなく、日常生活に取り入れる場合、その知識が職業の中でどのように使われているのかということを考え、つねに過ちを犯しやすく、利害関係が絡んでくることを忘れないようにしなければなりません。
 
<16-3>もっとしっかり、日本人(永六輔)
 
昔大阪で掘割を頑張って作った人が道頓さんで、だから「道頓堀」って言うわけでしょう?一生懸命江戸に水を送る上水道を作った方たちは「玉川兄弟」。これはまあちょっと順序が逆で、上水道を作ったから玉川っていう名前を名字にしていいというので、その名前になるわけです。
 
<16-4>お客に言えない食べ物の裏話(マル秘情報取材班)
 
欧米でも日本でも、牛の糞便からO-157が検出されることが多い。牛は、内臓にこの菌を持っていても平気なのである。そのため、牛刺しやレバ刺しを食べたり、生焼けのハンバーグを食べたりすると、感染するケースが多数報告されている。
 
<16-5>組織デザイン(沼上幹)
 
軍事組織であろうと、企業組織であろうと、組織と呼ばれるものの特長は、基本的に分業と調整の二つである。
 
<16-6>ザ・プロフェッショナル(大前研一)
 
そもそも”discuss”という言葉は、否定を意味する”dis”と恨むという意味の”cuss”が合体した言葉です。要するに、反対したり反論したりしても「恨みっこなし」というのがディスカッションの本来の意味です。一方、”debate”という言葉は、”de”が下、そして、”bat”は打つという意味なので、原意は「打ち倒す」です。
 
<16-7>精子の話(毛利秀雄)
 
クロダイでは小型のものは雄で大型のものは雌、言い換えれば年齢によって性が変わります。またベラの仲間には1匹の雄が何匹かの雌とハーレムを作っているものがありますが、この雄がいなくなると、雌の中で一番大きい1匹が直ちに雄に性転換します。軟体動物のカキでは下のほうについている大型のものは雌、上のほうについている小型の物は雄というように、栄養状態で性が変わります。
 
<16-8>記憶力を強くする(池谷裕二)
 
聞いた音の音程(ドレミ)を正確に判断できる「絶対音感」という能力を持っている人がいます。じつは、この特殊な能力を体得できる臨界期は3~4歳です。大人になってから、音楽や楽器に興味を持ったとしても、もはや絶対音感が身につくことはありません。
 
<16-9>夜中にラーメンを食べても太らない技術(伊達友美)
 
これまた驚くことに、女性ホルモンをつくっているのは男性ホルモン。つまり、性ホルモンは体内の変化に応じて自在に微調整されるもの。そして、男性ホルモンが減少し、女性ホルモンが優勢になると、脱毛するというのが最新のハゲ・メカニズムのようです。
 
<16-10>老いを照らす(瀬戸内寂聴)
 
お釈迦様もこうおっしゃっています。「過去を追うな、未来を願うな。過去は過ぎ去ったものであり、未来はまだいたっていない。今なすべきことを努力してなせ」

<16-11>壊れる男たち(金子雅臣)
 
職場で加害者をパワハラやセクハラに駆り立てるものの正体は、男たちが抱えた危機感と閉塞感である。言い方を変えれば、男たちが置かれた立場の不安定さや、そこから生まれる将来に向けての不安や苛立ちの裏返しである。
 
<16-12>バール、コーヒー、イタリア人(島村菜津)
 
美味しいエスプレッソの見分け方。ポイントはクレーマと呼ばれる表面の細かい泡とその色である。豆によって褐色がかっていたり、こげ茶色に近かったりするが、ヘーゼルナッツ色のきめ細かなクレーマが、表面に3~4ミリの厚さでのっかっていれば、当たりだそうだ。
 
<16-13>官僚の責任(古賀茂明)
 
「このまま行けば日本はみな、今の中国人と同じレベルまで生活を切り下げるしかかありませんね」この中国人経営者の言葉が示しているのは、なるべく無駄な労力を使わず、頭を使って効率的に利益を得なければ、日本が国際競争から取り残されるのは必至ということである。いくら高い技術力と勤勉な労働力があろうと、経営者に経営能力が欠けていれば宝の持ち腐れになるということである。
 
<16-14>割り箸はもったいない?(田中敦夫)
 
吉野林業を例にとって見よう。1ヘクタール当たり8000本から12000本もあるのだ。現在の一般的な植栽本数が、3000本を基準にしていることを考えれば、非常に多いといえるだろう。密植すると、幹が通直になって枝も出づらく節を作らない効果があるから行なうのである。植え付け後10年くらいから弱度の間伐を繰り返し、徐々に本数を減らしていく。だいたい8~10回以上の間伐を経て、最後は大径木になった100本くらいを残す。この時点で100年以上経っているのである。
 
<16-15>下流社会(三浦展)
 
結婚ほど同じ階層の人間同士を結びつけるものはない。個人だ、自由だとは行っても、そもそも異なる階層の人間と出会うチャンスがないし、出会っても、恋愛の、まして結婚の対象とは考えないのがふつうである。
 
<16-16>人間は脳で食べている(伏木亨)
 
人間はエネルギーが充足してもなかなか食べ止めない。食べ過ぎてしまう。満足感の作動が鈍いとも言える。だから太りやすい。しかし、これは人間の機能のせいだけではない。調理や料理の歴史は、動物としての正常な満足感をうち破るための魅力的な味付けに腐心してきた。食の文化が人間の生理的な制御を凌駕したということもできる。
 
<16-17>りんごが教えてくれたこと(木村秋則)
 
キュウリには巻きひげがあります。巻きひげの前に指を1本出します。ひげにからまる人とからまない人がいます。小さい5,6歳の子供たちがやると、全員指にからまります。ところが、大人の人がやると、からまない人が出てきます。
 
<16-18>できる社長は机が小さい(臼井由妃)
 
プレゼントには日用品や消耗品、使えばなくなるものを差し上げるのがベターです。食べたり飲んだりしてなくなるものなら、お互いに負担がありません。
 
<16-19>食の堕落と日本人(小泉武夫)
 
日本酒の場合、原料に使う水の中に鉄分が0.02ppm以上含まれていると酒は仕込めない。なぜかというと、その鉄分によって鉄さびが発生して、仕込んだ酒が真っ赤になって市場価値を失ってしまうからだ。
 
<16-20>生きる意味(上田紀行)
 
グローバル経済とは徹底的に「他人からの評価」によって築き上げられているシステムである。世界中の投資家からの評価が得られなければ、企業も国もすぐに破綻する。だから自分を見つめている投資家たちの期待に添うように行動しなければならない。
 
<16-21>人は「感情」から老化する(和田秀樹)
 
私の同級生で、酒を注がれるのを待っている人間は、間違いなく「官」に行った連中だ。灘高の同窓会で、官僚になった人間で自分から酒を注ぎに来る者はまずいない。ただし、選挙に出ようと目論んでいる人間は別である。
 
<16-22>お金のルール(杉山靖彦)
 
「自分には株とかに投資する能力はないけれど、株とかに投資より、人間関係に投資したほうが、絶対に戻ってくる確率は高いと思うんだよね」
 
<16-23>戦略人事のビジョン(八木洋介・金井壽宏)
 
私がGEで働いていて知ったのは、優秀なリーダーほど、とてつもない努力を重ねているということです。その努力とは、学ぶ努力であり、考える努力です。人はもともと能力によってリーダーになるのではなく、努力によってリーダーになるのだとつくづく感じます。
 
<16-24>プロ弁護士の思考術(矢部正秋)
 
事件処理を受任した場合、私はおおよそ次のような手順で見通しをつける。①関連情報を収集し、有利な点と不利な点を分析する。②事件の全体構造をつかむ。③対策を考え、落としどころを見極める。「情報収集、構造把握、対策立案」の手順は、交渉、紛争処理、危機管理に広く応用できる。
 
<16-25>ワインと外交(西川恵)
 
なぜ中国は拘るのか。面子の問題もあれば、中国の存在をより大きく国際社会に見せたいとの思惑もあるだろう。ただ、より真実を言えば、中国の首脳にとって外交こそが国内に向けて権力の所在を見せる最良の機会だからだ。