第4のかゆみ

 かゆみにもいろいろな種類がある。冬の乾燥した時期に服がすれるとかゆみを感じる乾燥肌。草木にかぶれた時やじんましんができた時もかゆみがでる。しかし、最も一般的にかゆみを感じるのは「蚊」に刺されたときであろう。家庭菜園をやっていると、ほとんど蚊のシーズン中は刺されっぱなしである。最近では免疫ができつつあるように思う(高齢になるほどかゆさが軽減するという説もあるが・・・)。かゆいのは30分程度で、搔くと5mm程度腫れるが、すぐに跡形もなく消えてしまう。したがって、集中的に大量に刺されない限り、それほど大騒ぎをすることもない。ただ、蚊を媒介とした感染症は別である。

 蚊に比べると、「ダニ」は大変である。そのかゆさ加減は半端ではない。搔いても搔いてもかゆみが消えない。そのうちに血が出てくるくらいかゆい。しかもそのかゆみが1週間以上続く。その後は黒い傷跡が1か月程度残る。次にかゆいのが「ブヨ」である。ブヨに数か所刺されたが、これもかなりのかゆみを伴った。最初はアブだと思ったが、刺されたときに痛みを感じなかったので、おそらくブヨであると思われる。ダニほどのかゆみではないが4、5日かゆみが続いた。そのかゆさは搔けば落ち着くかゆさである。ダニのようにかゆみが消えないようなかゆさではない。それでも傷跡は黒く残った。

 最近、虫刺されによる第4のかゆみに襲われている。かゆさの程度はブヨと蚊の中間よりもブヨ寄りである。刺されたときのかゆみは蚊に刺されたときと同じようにかゆい。しかも、これが数日続くのである。5mm程度赤く腫れているのが見える。菜園作業中に刺されるのであるが、何に刺されたのかは全くわからない。かゆみが出て初めて気が付く。毎回のように2、3か所刺される。目に付く場所を刺されているにもかかわらず気が付かないので、かなり小さな虫であろうと思われる。腰に2個ぶら下げた携帯用の蚊取り線香では効果がない。

 そんなもやもやとした日が続いているときに、一匹の蚊が腕に止まった。反応よく、ぴしゃりと退治した。止まった瞬間なので、毒も注入されていないはずである、と思ったが蚊の方が上手であった。かゆいのである。翌日も赤くなったままである。同時にかゆみもある。第4のかゆみと位置付けていたそれである。今まで蚊に刺されても30分程度のかゆみであったにもかかわらず、これほどのかゆみが残るというのはなぜだろう? 体質が変わったのか? それとも蚊の種類が変わったのか? いや、見る限りヒトスジシマカである。ただ、従来のものよりは小型である。急に体質が変わることは考えにくいので、蚊の毒が強烈になったものと思われる。毎日のように2、3ヵ所刺され、かゆみが3日程度続くので、かなりの個所がかゆいことになる。本格的に防蚊を考えなければならなくなってきた。

 菜園内の野菜や果物を食べる虫や鳥も困ったものであるが、菜園主を攻撃する新種が増えるのも困ったものである。血を吸われているうちはまだいいが、菜園主を食べる虫が出てこないことを祈るばかりである。