原木シイタケ

 ホームセンターへ行くと、シイタケの栽培キットが売られているのをよく見かける。これには2種類ある。おがくずのようなものに菌を植え付けたものとクヌギの原木に菌を打ち込んだものがある。どうやら原木シイタケの方が高級らしい。原木は1~2年間、菌が回る期間が必要となるが、今回売られていたものはその期間を経過したものであった。早速、原木を持ち帰り、栽培の開始である。原木に水分を吸収させるのであるが、その前に大事な作業がある。以前何かで見たのであるが、シイタケは雷が鳴ると生育がいいという。しかし、人工の雷を起こすわけにもいかない。そこでこれの代用が原木への刺激である。原木の両端面を道路に打ち付けるのである。つまり、原木を持って垂直に道路に落とすのである。これでシイタケ菌が目覚めるらしい。その後、半日程度水に浸けておく。わが家では重宝している洗濯機がこの役割を果たしてくれる。たっぷりと水を吸い込ませた原木を日陰に保存すれば、シイタケが生えてくるのである。しかし、この保存場所が問題である。家庭菜園最大の難敵であるナメクジからどう防御するか? いつもこれで頭を悩ませることになる。2mくらいのところまでは楽に上ってくる。なぜそこに食べ物があるのを感知できるのかはわからないが、やってくるのである。おそらく臭いだろうとは思うが、はっきりとしたことはわからない。ただ、やみくもに動き回っているわけではないと思う。今までの経験から、支持台の接地部分を水に浸ければ上がってこられないということはわかっている。しかし、今回はこの方法を取らずに、上から吊るす方法を試みた。ガレージの屋根からロープで原木を吊るすのである。これならもし原木シイタケに気付いても食べられる心配はない。ガレージの屋根まで上り、さらにそこからロープを伝って原木まで下りるとなると、夜が明けてしまい万事休すである。

 原木を吊るして5日目、菌を打った部分から小さなシイタケが芽生えてきた。8カ所から一斉に出てきた。シイタケはみるみる大きくなり、4日目で収穫である。ぷっくりとした旨そうなシイタケである。焼いてレモンと醤油で食べるのが最高である。足(石附)の部分は細く裂き、シメジやエノキと一緒に佃煮にする。お茶漬けにぴたりとはまる。喜んでいいのか、悲しむべきなのかはよくわからないが、またひとつ食欲をそそる菜園仲間が増えた。
 
<ほとんど保護色>
 
 

<そろそろ食べごろ?>