消費税

 国税庁のホームページを見ると、『消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の引取りです。この消費税は、生産及び流通のそれぞれの段階で、商品や製品などが販売される都度その販売価格に上乗せされてかかりますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。(平成30年4月1日現在法令等)』となっている。確か導入当初は3%であったように思う。その後、5%、8%と徐々に上がってきて、今後は10%になるという。何とも長ったらしい前置きであるが、これがないとここから先が進まない。

 さて、話はがらりと変わり、ここからは菜園内の消費税についての話である。菜園内では年間を通じて数十種類の野菜や果物を栽培している。ここでの消費税は栽培する品種によって税率が異なる。さらに、年度によっても税率が変わる。これらがあらかじめわかっていればいいのであるが、栽培してみるまでわからない。しかし、消費税がまったくかからない作物もある。ラズベリー、ブルーベリー(注1)、スイカ、カボチャ、ヤマイモ、タマネギ、ニンジン、ニンニク等は、ほとんど無税である。トマト、イチゴ、ブドウ、サツマイモ等は、5~20%の消費税がかかる。ピーナツは毎年20~30%と高率である。葉物野菜(白菜、キャベツ、コマツナ等)はおおむね高率になることが多い。例外的にホウレンソウやシュンギクといった灰汁の強い葉物は税率が低い。

 ここまでくると、菜園内の消費税の意味が大まか理解できたものと思う。そう、ここでの消費税とは、鳥や虫たちが消費する量のことである。ブドウはネットがなければほとんど収量はゼロである。イチゴも対策をしていなければ30%は確実に持っていかれる。ミニトマトは20%程度の消費税を見込んでいる。毎年その分を上乗せして栽培している。ところが、50%という高率に見舞われた年もある。ほとんど虫と折半である。ミニトマトをつまみに焼酎を飲むという楽しみを奪われたつらい過去がある。最もつらいのはピーナツである。菜園日記でも書いたように、ピーナツは花が咲いた後、子房柄という軸を出し、それが地中に入り実を付けるのであるが、木が高くなりすぎて軸が地面まで届かないものが20%程度ある。そしてうまく地中に入り実を付けても、今度は虫がしっかりと穴をあけ中身を食べてしまう。虫による消費税が30%程度ある。結局50~60%程度の収穫しかないことになる。それでも栽培するのはその旨さにある。輸入ピーナツとは全くの別物といってもいい。これをつまみに飲む焼酎は最高である。茹でてもいいし、炒ってもいい。この旨さを知ると、やはり毎年栽培したくなる。ただ、マメ科の植物は連作(毎年同じ場所で同じ植物を栽培すること)を嫌うので、場所をローテーションさせることが必要となる。菜園内の区割りはピーナツの場所の確保から始まる。それが決まれば、後はそれぞれの栽培品種を連作障害が発生しないようにはめ込んでいけばいい。総菜園面積の六分の一をピーナツ栽培に割り当てている。

 菜園での消費税の定義について、国税庁風に表現すると、『消費税は、・・・鳥や虫に食べられる直接税です。・・・最終的に税を負担するのは菜園主となります』、ということになる。高額納税者番付には載らないが、この地域一帯では、隠れた高額納税者である。

注1:菜園内はネットで囲まれているので鳥の被害を受けない。