一輪挿し

 

 一輪挿しである。材質はアフリカンブラックという木である。ずっしりと黒檀のような重さがある。表面は磨いたままで塗装はしていない。それでもきれいなつやが出ている。左端の部分は、木の表面が変質して色が変わっている。この色変わりが見事な景色となっている。木の上部に直径2cm、深さ8cmの穴をあけ、そこに塩ビのパイプで作った花瓶を入れてある。自然の木を生かした一輪挿しである。重さがあるので安定がよく、どっしりとした感じがいい。大きさの割には入っている水の量がわずかなので、転倒時にも大きな影響を及ぼすようなことはない。机の上に置くには最適である。1年を通じて、菜園内の草花を挿している。花が見つからないときは、年中青々としているローズマリーを挿している。適度にいい香りを辺り一面に放ってくれる。ちょっと触れればさらにいい香りがする。日持ちがするのでありがたい。今、挿してあるのはフキノトウである。2月になると、菜園のフキエリアで一斉に芽を出す。殺風景なアトリエの机にも、この花瓶が一つあるだけで気分を和ませてくれる。