その5

<5-1>「うまいもん屋」からの大阪論(江弘毅)

約80年前、1935年に建てられたこのイスラム寺院は、「トアロード」と「ハンター坂」を東西に結ぶ中山手通りにある。95年の阪神・淡路大震災にも耐え、東京と名古屋にあったモスクが戦災や老朽化で姿を消した今、日本で唯一のモスクとして観光の名所ともなっている。

<5-2>ダンゴムシに心はあるか(森山徹)

体全体の古い表皮が白っぽくなって浮いてきて、動きが鈍くなります。その後、体の後ろ半分の古い表皮が、次いで前半分が脱げます。脱皮直後の表皮は柔らかく、固くなるまで数日かかります。

<5-3>処世術は世阿弥に学べ(土屋恵一郎)

人間の関係や、組織にとって言葉はとても大事だ。言葉はたんに用件を伝えるための道具ではない。イメージと結びつき、人間の行動と結びつく。いいたいことを要約して、言葉に結晶させる力のないものは、なかなかリーダーとはなれない。

<5-4>ビジネス難問の解き方(唐津一)

品質管理を高め、いいものを作るほど原価を押さえられる。一見、矛盾するように思えるが、よく考えてみればごく当たり前のことである。

<5-5>知的プロフェッショナルへの戦略(田坂広志)

もし、資産運用の方法を研究するのならば、「時間」という資産の運用方法を徹底的に研究するべきです。「時間」という資産は、誰にも平等に与えられている資産ですが、その運用ノウハウによって「ROI」(Retern on Investment:投資収益率)に何百倍、何千倍もの差が生まれてしまう資産だからです。

<5-6>時代が変わった(堺屋太一)

規格大量生産に向いた人間とは、第1に辛抱強くて、第2に協調性に富み、第3に共通の倫理観と知識技能を持ち、そして第4には個性と独創性がないことだ。昭和16年の「国民学校令」は全国民をそんな「使いやすい」人間にする試みだった。これもまた、ナチスの「フォルクスシュ-レ」をそっくりそのまままねした制度である。

<5-7>MBAがよくわかる本(手塚宏之)

モチベーション=仕事が結果につながる期待値×成果が報酬につながる期待値×報酬の価値

<5-8>「課長」の作法(山田敏与)

「腹を割って話す」が、「腹のなかは見せない」

<5-9>最強の経営学(島田隆)

サラリーマン的とはどういうことか。過去の惰性を引きずりがちで前例主義である。オーナー会社とは違って、経営者も従業員も、会社の遠い将来より、さしあたって自分の退職金さえ安泰であればよいと考える。

<5-10>井上ひさしの作文教室(井上ひさし)

いい文章とは何か、さんざん考えましたら、結局は自分にしか書けないことを、どんな人でも読めるように書く。これに尽きるんですね。

<5-11>資産疎開(太田晴雄)

海外の銀行を念頭において資産防衛を考える人のために次のアドバイスをしておく。①香港、シンガポール、スイスなど自由なマーケットを持つ場所を選ぶこと。②長期預金の格付けランクがA以上の銀行を選ぶこと。③格付けは高くても、あまり小さな銀行は敬遠したほうがよい。④ヨーロッパ系の銀行は親しみやすいし、預金者の秘匿保護が徹底している。⑤現地の日本人金融業者や運用業者は使わずに、自分で直接銀行に出向くべき。⑥あまり難しい口座を選ばないこと。せいぜいマルチカレンシー・アカウントにとどめる。

<5-12>土光敏夫の哲学(PHP研究所)

賃金と人件費の違いについて留意したい。両者は、賃金(一人平均)×人員=人件費(総額)という関係にある。経営として問題になるのは、人件費のほうである。人件費の高低は、賃金ばかりでなく人員によっても左右される。したがって、賃金が高くなって、人員を減らすことによって、人件費は抑えることができる。そうしてこれからの経営が目指すべきものは、人員の少数化にあると断言できる。抑えるべきは、人員であって、賃金ではない。

<5-13>オーケストラの秘密(みつとみ俊郎)

コントラバスを電車に乗せるとき、コントラバス奏者はちゃんと楽器用の切符を別に買っている。チェロを抱えた人たちも飛行機に乗せるときにはチェロ用に一人分の座席チケットを購入する。

<5-14>中国人の腹のうち(加藤徹)

腰の軽さの根底にあるのは、中国のことわざで言うところの「人間は動いてこそ生きる。木は動かすと死ぬ」という考えです。動くというのは、引越しをしたり会社を変えるということ。中国人は、今も昔も簡単に職を変えてしまいます。だから、中国には今も昔も「老舗」がないんです。百年以上続いている有名な老舗は、北京では、同仁堂という漢方薬のお店くらい。中国人は「何十年も同じことをやっているやつは、時流に乗れないバカだ」と考えます。

<5-15>いつだって大変な時代(堀井憲一郎)

東京という地名は、京都に遠慮して付けたのだということが思い出される。明治維新において、京都から正式な「遷都」があったわけではない。帝のおわします京から、江戸へ都を遷すという宣言はなされていない。そのままいまだ宣言はなされておらず、京都人には「帝はちょっと東京へ行ってはるだけやさかい」というような輩もいて、その気分は京都という街を寂れさせないという点においては、とても有効だった。ま、維新政権は、鹿児島を中心として、山口と高知と佐賀の4エリアの代表だけでもって徳川家を倒したあとの日本を統治しようとした政権は、当初とても脆弱で、都を遷すということをやってしまうと、何が起こるかわからない不安を抱えていたということがよくわかる。

<5-16>毒になる生食、薬になる生食(藤田紘一郎)

大腸菌は悪玉菌の代表のようにいわれていますが、私は人が生きるために必要な菌だと思っています。なぜなら、出生直後に赤ちゃんの腸管に大腸菌が棲まないと、その赤ちゃんの腸が正常に発育しないことがわかったからです。生まれた直後にアトピー性皮膚炎になり、なかなか直らない赤ちゃん約20名の腸内細菌を調べたことがあります。その赤ちゃんの40%の腸からは、大腸菌がまったく検出されませんでした。

<5-17>仕事の9割は世間話(高城幸司)

本書を執筆するために取材した経営者に「人を何で見極めますか」と尋ねたところ、大半の人が「世間話だ」と答えました。有名な経営者と会ってみると、案外気軽な人柄に見えることがあります。ところがそれが大きな罠です。気軽に見えるので緊張が解けて、何気に世間話をしていても「その話しぶりで人物評価をしている」のです。

<5-18>「かわいい女」63のルール(里中李生)

結婚はすべて、「絶妙なタイミング」によって成り立つ。あなたが、大好きだった彼と結婚できなかったのは、彼があなたを愛していなかったのではなく、結婚のタイミングを二人で逃がしたのだ。

<5-19>稲盛和夫のビジネス座標軸(佐藤正忠)

稲盛が体験から生み出した人生成功の公式がある。それは、”考え方×能力×熱意=人生・仕事の結果”というものである。考え方はマイナス100からプラス100まである。したがって、能力や熱意が少々あっても、ここがマイナスだと全部マイナスになってしまう。

<5-20>円安+インフレ=夜明けOR悪夢?(村上龍)

通貨を利用するということで言うと、それはアメリカにはできるけど、日本にはできないなと思うのです。そう言う観点から評価すると、円は絶対に売りになる。なぜなら、アメリカには通貨戦略があって、日本には通貨戦略がない。戦略があるのとないのと、どちらが勝つかは明白である。

<5-21>ユーロ(日本経済新聞社)

ユーロがドルと並ぶ基軸通貨になった場合、円は現在以上にアジアのごく一部で通用する「ローカル通貨」という色合いを強めることになるでしょう。

<5-22>敬天愛人(稲盛和夫)

すべてのものごとを「原理原則」にまで立ち返って判断していこうと決心した。言い換えれば、「人間として正しいことなのか、悪しきことなのか」という事を基準にして判断し、「人間として正しいことを正しいまま貫いていこう」と考えたのである。

<5-23>生きる悪知恵(西原理恵子)

佐藤優さんが言ってたけど、「若いロシア女性が1週間に求めるセックスは16回。それでもあなた、ロシア人に恋して大丈夫ですか」って。それはちょっときついよね。

<5-24>中国人エリートは日本人をこう見る(中島恵)

中国社会では生まれた場所と親の収入によってほぼ運命が決まります。人生に一発逆転はありません。どんなに頑張っても、決して這い上がれないような仕組みになっている。

<5-25>「あまった食べ物」が農業を救う(山田浩太)

農薬には、同じものを使っていると、だんだん効かなくなってくるという問題点があります。菌が耐性を持ち始め、「耐性菌」になってしまうのです。農薬会社の人に聞いたところでは、害虫は大体農薬2種までは耐性菌を作るそうです。ですから、3種類の農薬を使わなければ完全な対策にはならないのです。