根菜類の保存

 家庭菜園をやっていて最も頭を悩ますのは、害虫、雑草対策である。これに続くのが収穫物の保存である。害虫や雑草は、あきらめるという最終手段をとることができる。しかし、収穫物はそれができない。確実に処理をしなければならない。ほとんどの品種は、それらの栽培時期が限定されている。したがって、収穫時期も一斉にやってくる。こういった野菜や果実の種類は多い。保存方法としては、冷凍、乾燥が最も一般的である。イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー等のベリー類は冷凍保存し、必要に応じ解凍してジャムやソースを作る。ピーナツ、トウガラシ、ウコン、ショウガは乾燥させたあと冷暗所で保存する。ウコン、ショウガはスライスしたものを乾燥させ、そのまま、または粉末で保存する。カキ、サツマイモは、それぞれ干し柿、干し芋にして冷凍保存する。これらは大量に生産しても、1年かけて楽しく食べることができる。

 乾燥も冷凍もできないものについてはどうするか? 掘り出した後、もう一度土に埋めて保存する。ニンジン、ダイコン、ゴボウ、サトイモ等はこの方法で保存すると、春先まで美味しく食べることができる。菜園内の隅っこの土を50cm程度の深さまで掘り、塩ビの筒(直径22cm×長さ25cm)に入れて土をかけて小高く盛り土をする。塩ビの筒は掘り出し時に根菜類を傷つけないために使用する。ダイコン、ゴボウ等の長物は塩ビの筒を横向けて数個使用する。腐らず、乾燥せず、味も落ちない。非常に重宝する保存方法である。ただ、害虫の被害は免れない。季節外れで食べ物がないときなので大喜びである。思いもかけないごちそうを目の前にしては、食べないわけにはいかない。ということで、彼らの居住区域を使用させてもらっている以上は、一定の使用料を支払わなければならない。一括払いにしてくれればありがたいのだが、気まぐれな分割払いとなり、あちこちをかじられるのが難点である。

 栽培量を減らせば保存を考慮しなくて済むが、そのためには1区画の面積を小さくしなければならない。その分区画数が増えることとなり、菜園の管理が非常に複雑になる。現在は、菜園内を15区画に分割して管理している。理由は各品種ごとに栽培できる周期があるからである。毎年同じ場所で同じ品種の作物を栽培することはできない(連作障害が発生する)(家庭菜園とPC 参照)。野菜によって違うが、エンドウマメ、スイカ、ゴボウなどは、同じ場所では最低でも4年間は栽培できない。したがって、どうしても1品種に付き、最低1区画を割り当てなければならない。ゴボウは葉が大きく間隔をあけて栽培するので、大量に栽培するということはない。しかし、ゴボウを一度に大量に食べるということもないので、数本できても、しばらくは保存が必要になる。ニンジンは葉が小さく間隔を詰めての栽培が可能であるが、間隔を広げて栽培する量を調節している。このようにいろいろとやりくりをしながら、狭い菜園を最大限に有効活用している。

 ちなみに、冷凍保存ではピーク時121リットルの冷凍庫が満杯になる。乾燥保存用では、4個のざる(直径:60cm)、2個の乾燥用ネット籠(40cm×40cmに棚が3段)はともにキャンセル待ちの状態となる。

<サトイモの土中保存>