その4

<4-1>やめたくてもやめられない脳(廣中直行)

私たちは一時の快感を味わい、それが消えるとそこはかとない不満か、あるいはとても強い不満を感じる。そこから脱出するためにもう一度そのものに手を出すのである。そのものはゼロをプラスにするのではなく、マイナスをゼロにする。

<4-2>日本語教室(井上ひさし)

山形に降る雪は全部最上川に流れることになっているのですよ。川の支流も他の県には行っていないし、上流も山形県内なのです。一県一川、つまり1つの県に1つの川というのは、日本で最上川だけで、これが山形県人の自慢ですね。

<4-3>人は見た目が9割(竹内一郎)

男は嘘をついた時、目をそらす。やましい気持ちが目に表れる。ところが女が嘘をついた時は、相手をじっと見つめて取り繕おうとする。

<4-4>偶然のチカラ(植島 啓司)

3つのドアから1つを選ぶ。あなたがもしAのドアを選択したとする。司会者は、どこに正解が隠されているか知っていて、不正解のCのドアを開ける。そして、あなたに「このままAのドアでいいですか、それとも、Bのドアにしますか」と聞く。さて、あなたはAのドアのままでいるか、それともBのドアに変えるか、どちらが正しいかという問題である。選択を変えると、当たる確率は2倍になる。

<4-5>なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか(伊丹由宇)

日本人ほど食に貪欲である民族は、数少ない。日本人ほど、いろんな食事を楽しんでいる国は他にない。一般家庭でも毎日のように食事のメニューが変わる、こんな国は他にない。副食もたいていは2~3種類あり、1つである場合は少ない。

<4-6>武器としての決断思考(瀧元哲史)

人間は弱い存在で、簡単に死んでしまうし、自然や社会の力によって簡単につぶされてしまう。それでも人間が尊くあるのだとすれば、それは、おのおのが考える力を持っているからだとパスカルは言います。

<4-7>本当は危ない植物油(奥山治美)

そもそもコレステロールをなぜ下げるのでしょうか。コレストロール値は高い群のほうが癌にかかりにくく、脳卒中を起こしにくく、総死亡率が低いのです。コレステロール値が高いことは長寿の指標であり、決して動脈硬化の原因になってはいませんでした。

<4-8>ダサいオヤジは「暴力的存在」である(松尾智子)

マナーは、自分のためにあるのではない。人のためにある。このことをまず理解してほしい。

<4-9>今夜もひとり居酒屋(池内紀)

居酒屋の酒に対して、わがモットーは単純明快、酒造りの世界で長老といわれた人の口ぐせを拝借している。「酒は純米、燗すればなおよし」日本酒はもともと純米酒のことであって、米と水だけで作られた。酒造りの歴史にあって、米と水とが2000年に近い伝統と文化を担ってきた。

<4-10>腕時計一生もの(並木浩一)

人間が行動することを許されている環境の中で、自動巻きが機能しない場所があります。宇宙船の中、宇宙空間、月面。科学の進歩により人間がはみ出すことを許された地球の外では、無重力のために自動巻きはゼンマイを巻き上げてくれないのです。アポロ11号の宇宙飛行士たちとともに月面に降り立った初めての腕時計は、手巻きのオメガ・スピードマスター。

<4-11>65歳定年制の罠(岩崎日出俊)

20歳であろうが80歳であろうが、学ぶことを止めてしまった人は年老いる。学び続ける人は、いつまでも若い。(ヘンリー・フォード)

<4-12>「おじさん」的思考(内田樹)

哲学が私たちに教えるのは、答えの出ない問いをあれこれ思い悩むのは知的に誠実なあかしであり、とても「よいことなのだ」という「嘘」である。

<4-13>部長!ワイシャツからランニングがすけています(ドン小西)

自分を偉く見せたい人は、大きく見えるダボダボのスーツを選ぶことが多いね。

<4-14>座右のゲーテ(斉藤孝)

若いときには、人はエネルギーに満ち溢れているいるので、普通に生活するだけでも満足できる。だが年をとってエネルギーが落ちてくると、懐古的になり自分の未来を愛せなくなる。そうならないためには、年をとったらより多くのことをして、自分自身を更新していくことが大切だ。

<4-15>はじめての中国語「超」入門(相原茂)

”全日空”は中国語だと「一日中空っぽ」、つまり乗客ゼロのガラガラという意味になります。

<4-16>職場はなぜ壊れるのか(荒井千暁)

人というものは仕事が強いられている、いないいるにかかわらず過剰な長時間労働をしていれば、ただそれだけで崩れるようなのです。現代は医師も過労死し、過労自殺する時代になりました。

<4-17>食の世界遺産(小泉武夫)

私が知っている世界の最高珍味の中でもこの値段を越えるものはなく、世界一高価な珍味である。海鼠15~20匹分で約10グラムの海海鼠(このわた)1枚ができるが、その値段はおよそ1万円ぐらいする。つまり1グラム当たり約1000円なんとも目玉が飛び出るほどの効果であるから、世界3大珍味(トリュフ、キャビア、フォアグラ)の中でも最も高価といわれるあのチョウザメの卵のキャビアでさえ、海海鼠の足元にも及ばないのである。

<4-18>働かないアリに意義がある(長谷川英祐)

働きアリは子供の性を識別しており、女王が生むなかからオスだけを選択的に殺して次世代の性比を調節しているらしいこともわかりました。これらの結果を鑑みると「女王」は名前に反してワーカーにコントロールされる弱い存在であるとも考えられるのです。

<4-19>植物はすごい(田中修)

ナスやトマトの実の色は、太陽の強い光に当たると強く色づきます。色づいた色素には、抗酸化作用があるからです。強い光が当たれば当たるほど、果実の中のタネを守るために、多くの野菜や果実は色づく傾向があります。

<4-20>上司につける薬(高城幸司)

疑問点が100%解決しないと判断できない、などと思わないことだ。80%理解できたら、残りの20%は理解できなくても判断する覚悟をもつ。これは実際にやってみるまで永遠にわからないのだ。

<4-21>癌では死なない(稲田芳弘、他2名)

スイーツ好きで便秘気味の女性は、そうでない女性に比べて乳癌にかかる危険が高いのだ。スイーツを食べることによって、悪玉菌のエサを食べているからだ。特に悪玉菌のクロストリジウムはショ糖が大好物で、人間が甘いものを食べれば食べるほど増えてしまう。このクロストリジウムが増えた時、腸内環境は恐ろしく悪化する。

<4-22>論理の方法(小室直樹)

維新の元勲と言うのはあの頃としては驚くほど長命です。あの頃は人生50年と言われていたが、20歳、30歳で死ぬ人は非常に多かったし、平均寿命は40歳以下だったのです。ところが、維新の元勲に限って80歳、90歳がざらです。普通の人の2倍、3倍生きている。その原因はいろいろあるでしょうが、それは禁欲によって欲望を制御したというのが一つの原因である。

<4-23>知らないと恥をかく世界の大問題(池上彰)

世界には「宗教」「民族」「資源」の3つの対立構造がありますが、イスラム圏にはこの3つの要素がすべてそろっている。だから戦争も起こりやすいのですね。

<4-24>知られざる水の「超」能力(藤田 紘一郎)

冷蔵庫で水を凍らせると、中央が白くなることはよく知られている。これは不純物を含む部分が白濁しているのだ。水道水で氷を作った場合には、ここに塩素やトリハロメタンが入っていることになる。そして透明な部分が、清浄な水ということだ。一方、不純物を含んでいない部分から氷になる性質がある。よって不純物を含む部分は白く、中央に形成される。

<4-25>SEの持つべき思想(秋月昭彦)

プロが書いたプログラムを見ると、しつこいほどにエラー処理が入っている。何かひとつの処理をするたびに、エラーが起きていないかどうかを確認するのだ。