その33

<33-1>すごい製造業(中沢孝夫)
 
新卒採用で、大企業が結果としていわゆる偏差値の高い大学の学生や、体育会系の学生を採用するのは、彼らが「遊びたい」といったことなど、さしあたっての自分の欲望を我慢して「将来」や「目標」に向かって走ってきた、という経過を持っていることを尊重・評価するからである。
 
<33-2>インタビュー術(永江朗)
 
雑誌の定番企画に対談がある。参加者が3人になれば鼎談であるし、4人以上になると座談会になる。
 
<33-3>はまる人、はもる人、はめる人(キャメル・ヤマモト)
 
一人の経営者を作るには10億円かかるといっています。つまり、10億円で、1つの会社をつぶす経験をしないと、経営者になる経験を学べないということです。
 
<33-4>10年先を読む長期投資(澤上篤人)
 
「景気回復を確認してから」では、出遅れるだけだと思います。株価は面白いもので、景気や企業実績にいつも半年から1年ほど先行するからです。景気回復を見極めてから株を買いにいったところで、株価全般はとうの昔に上昇のトレンドに乗ってしまっているでしょう。
 
<33-5>「やめられない」心理学(島井哲志)
 
健康への目覚しい効果が実証されたものがあれば、それが健康食品であるはずがない。科学的に効果が実証されているなら医薬品として販売できるからだ。
 
<33-6>司馬遼太郎全講演(司馬遼太郎)
 
私が学生時代に語学の先生に聞いた話ですが、そんなに複雑な生活をしていない人の場合、450ぐらいの単語で生涯をすごすそうですね。言語生活が豊富であればあるほど、その人の頭はシャープになって行きます。
 
<33-7>伝承農法を活かす家庭菜園の科学(木嶋利男)
 
苗でよく言われることに「苗5分~7分作」があります。苗の善し悪しが、作物の出来を大きく左右するという意味です。
 
<33-8>医療の限界(小松秀樹)
 
ロイター通信のマギー・フォックス氏が書いた記事によれば、アメリカの個人破産の50%は、医療費が原因であり、全米で年間に190万人から220万人(破産者とその扶養家族)が医療費破産を経験していると推定されています。カード破産は1%に過ぎない。しかも、破産者の75%は保険に加入していました。医療保険を購入できる中産階級でも、いったん病気になれば、しばしば経済的に立ち行かなくなるのです。
 
<33-9>お金を知る技術殖やす技術(小宮一慶)
 
「72の法則」というものがあります。これは、「複利で運用した場合、72を利回りで割った年数で資産が倍増する」というものです。すなわち、6%の利回りだと、元金が倍になるのに12年、3%だと24年かかるということになります。
 
<33-10>羽生(保坂和志)
 
羽生とタイトル戦を戦う棋士は、しばしば終盤で信じがたい凡ミスを犯す。戦った棋士は、「2日制のタイトル戦で、1日目の朝から羽生さんと盤を挟んで向かい合っていることから受けるプレッシャーたるやすごいもので、2日目の夕方を過ぎるぐらいのところで、集中力がぽっきり折れてしまう」というけれど、羽生は自分自身が読むことに対して最も厳しい。形勢判断にも棋風にも読みの根拠を求めず、ただそれが最善であるかどうかということだけを考えて読み続ける。序盤からの指し手を頭の中で何度も繰り返し辿り、今までの指し手の意図を最も生かすことのできる手順を読み続ける。羽生が自分自身の読みに課している厳しさは、対局相手が感じているプレッシャーよりもはるかに大きいはずだ。
 
<33-11>米国発ブログ革命(池尾伸一)
 
香港のヤフーは、送り主の名前やメールの発信場所であるIPアドレスを提供するよう中国政府に要請され提供してしまった。ヤフーは、02年にも、インターネットサイトに一党支配体制への批判や民主的改革について書き込みをしたエンジニア、王小寧の個人情報を中国政府に提供している。「市場を獲得するためなら、ヤフーは人権の抑圧に手を貸すのか」ヤフーの行為は、世界の人権団体から激しい批判を招いた。
 
<33-12>医療保険なんていりません!(荻原博子)
 
日本の医療制度では、あなたも、あなたの家族も、そんなに大きな医療保険に入らなくてもいいようになっているのです
 
<33-13>間接リュウマチQ&A(橋本明)
 
多くのリュウマチ薬は”遅行性”で、通常効果発現まで2、3ヶ月を要します。
 
<33-14>本質を見抜く力(養老猛司・竹村公太郎)
 
パレスチナ問題も実は水問題で、イスラエルが水資源を握っているからです。彼らがゴラン高原を手放さないのは、あそこがヨルダン川の水源になっているからです。
 
<33-15>世界は宗教で動いている(橋爪大三郎)
 
ヨーロッパがそうであったように、多くの場合、文字は音をあらわすために生まれるのですが、中国はそういう考え方で文字を作らなかった。代わりに、概念を文字にした。この漢字が成立するということと、中国が成立するということは、ほぼ同義でした。漢字で表す中国語は、文字からできた言語なのです。これは文化統一、経済統一を実現して、多民族が暮らすエリアを政治統一するための基礎を提供する、大事業だったと思います。この意味で秦の始皇帝は、人類史上の重要なキーパーソンの一人です。
 
<33-16>競馬必勝放浪記(元木昌彦)
 
カモメは飛びながら歌を覚える。人生は遊びながら年老いていく。遊びっていうのは、もうひとつの人生なんだな。人生じゃあ負けられないようなことでも、遊びだったら負けることもできるしね。
 
<33-17>スパークする思考(内田和成)
 
本当にリーダーを育てようと思ったら、ある程度失敗には目をつむっていろいろな体験をさせないと育たない、逆に言えば育てられる側の責任・能力ではなく育てる側の力量が問われるということだ。
 
<33-18>人生を楽しむイタリア式仕事術(小林元)
 
イタリア人の友人の1人が「装いはその人の文化だ」というのを聞いて、認識を改めなければいけないと思った。
 
<33-19>京都人の舌つづみ(吉岡幸雄)
 
ときに上等なものでも食べたいと思い、しかし料理屋は高いからと自宅で何とかしようと節約してみたところで、素人では、そもそも上質な素材自体が手に入らないのだ。やはり、それなりの料理屋で味わう一品は、素材の質からして違うものであることを認識しておいた方がいいと思うのである。
 
<33-20>なぜあの人は人前で話すのがうまいのか(中谷彰宏)
 
つなぎ目に入れると、ヤバイ接続詞があります。それは、「それから」です。「それから」が入ったら、その話はつぶれたと思って間違いありません。
 
<33-21>歯は磨くだけでいいのか(蒲谷茂)
 
MRIで195人(69歳~75歳)の脳を撮影しました。そして残っている歯の数と脳の大きさ(容積)の関係を調べました。その結果、歯が少ない(かみ合わせることができる歯の数が少ない)人ほど、記憶をつかさどる大脳の海馬付近と、意思や思考といった重要な役割を担っている前頭葉の容積が減っていたのです。
 
<33-22>里山ビジネス(玉村豊男)
 
知らなければ存在しない。知られてだめなら致命傷。これが情報化時代の教訓です。広く知らしめたうえで、本当によいものをつくる。嘘をつかない、隠さない。広告は本当のことを知らせる媒体なのです。
 
<33-23>50代から上手に生きる人ムダに生きる人(清水義範)
 
人間もある年齢になったなら、遊びとしての学習をするのがいいのだ。ゆったりした気分で、楽しいから学ぶのさ、というのがいい。そういう遊びを持っている老人は見ていて気持ちがいい。
 
<33-24>職人を見て歩く(林光)
 
人工臓器で、今できないモノは子宮だけです。他は血管でも何でもできるんですが、ただ、昔のコンピュータのように大きすぎて体の中に入らないっていうものもあります。
 
<33-25>弱者の兵法(野村克也)
 
試合における監督の仕事とは、つきつめれば危機管理である。したがってマイナス思考であるべきだと私は思う。実際、名監督と呼ばれた人の中にプラス思考はいないのではないか。