スムージー

 いうまでもないことであるが夏は暑い。今年は特に暑い。わがアトリエは数年前に記録した最高室温タイとなる44℃を記録した。暑い夏を暑いと当たり前のようにいうのは簡単である。では、その当たり前を当たり前でないようにするにはどうするか? 水をかぶるのもいい、冷房を効かすのもいい。しかし、それでは感動が小さい。暑いからこそ、その良さが一層感じられるというのがいい。

 わが菜園ではいろいろなベリーを作っている。おもな消費の仕方はジャムとソースである。大量に収穫したベリー類は、自宅の大型冷凍庫に保存してある。そして必要に応じ、解凍してジャムやソースを作る。冷凍すると長期保存できるというメリットがある。暑い時期には、わざわざ解凍せず冷たいまま食べたいという欲求が出てくる。アトリエの冷凍庫には、ベリー(ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー)を一部持ち込んである。ブラックベリーは種が大きすぎてそのまま食べるには不向きなため持ち込んでいない。それらのベリーを単体、あるいはミックスして蜂蜜と一緒にミキサーに入れる。冷凍でカチカチのものはミキサーの刃にかからないので、結露しないように蓋をしてしばらく置いておく。表面が柔らかくなってきたらベストコンディションである。スイッチを入れれば、あっという間にベリー100%のスムージーの出来上がりである。これをスプーンですくい取って食べるのである。ステンレスのスプーンが一瞬で曇る。キンキンに冷えた金属が舌に心地いい。何よりも香りがいい。じっくりと味わいながら食べていると、最後の方は飲み物に代わっている。最後の一滴まで流し込み、菜園の恵みに感謝である。最初からごくごく飲みたいときは、牛乳やヨーグルトを入れてもいい。蜂蜜は入れなくてもいいのであるが、冷たすぎると甘味が薄く感じられるので、ちょっと入れたほうが旨さが引き立つ。夏の暑い時はこれに限る。この一瞬の満足感は何物にも代えがたい。このようなぜいたくな食べ方は、家庭菜園をやっているからこそできるものである。採りたての新鮮なものを食べるのもいいが、このように最もおいしく感じる時期まで保存しておき、最もおいしい食べ方で食べるのもいいものである。今年も暑い夏が続きそうである。蚊取り線香の残量が気になるところであるが(注1)、ベリーの残量も気になる。早くジャムを作っておかないと、スムージーですべて消費してしまいかねない。それくらい美味しいスムージーである。純度100%、混ぜ物がないということがこれほど美味しいものであるということを再確認した。

注1:ホームセンターでは盛夏を過ぎると蚊取り線香が売り場から消え、秋物一色に入れ代わってしまう。しかし、蚊は晩秋の頃まで活動し、菜園主の血を吸いまくるのである。晩秋までの消費量を見極めて、十分な量をストックしておく必要があるのである。

<冷凍の完熟イチゴ>

 

<うん、旨い!>