オニオンスープ

 家庭菜園でいろいろな野菜を栽培していると、いいこともあれば悪いこともある。最も頻繁に出会うのが豊作か不作かという内容である。ホームセンターで買った種や苗の善し悪しという場合がほとんどであるが、時として大不作に見舞われることがある。天候や害虫、病気による場合がそれである。しかし、大豊作の場合はほとんど原因がわからない。例年通りの栽培方法を踏襲しているにもかかわらず驚くほどの収量があることがある。保存のきくものであればいいがそうでないものの場合は大変である。大急ぎで毎日同じものを食べ続けなければならないからである。

 今年はタマネギが大豊作であった。購入した苗の一部は、成長不良で小さなタマネギにしかならないものが毎年一定数含まれる。ところが今年の苗はほぼすべてが順調に育ち、かつ大玉になった。家族で食べられる量を想定し栽培するので、多くても少なすぎても困るのである。幸いにもタマネギは収穫ネットに入れて、軒の下の日が当たらないところに吊るしておけば長期の保存がきく。それ以降になると発芽が始まる。とはいえ、秋までに食べきれる量ではない。消費しようと思えば毎日カレーか肉じゃがで食べることになってしまう。

 そんなある日、近所のデパートで北海道展をやっていたのでのぞいてみた。北海道の名物がいろいろと並べられていた。その中にオニオンスープの粉末があった。なんとなくわが家のタマネギと重なったので購入して飲んでみた。タマネギの風味がしておいしかったが、粉体でタマネギの香りだけなのが物足りなかった。それならばと、わが菜園で収穫したタマネギを使ったオニオンスープを作ることにした。大量のタマネギをみじん切りにし、それをタッパに入れ、レンジでチンしフライパンで炒める。水分を飛ばしつつ適度なきつね色にする。適度に水分が飛んだところでコンソメを入れる。ここで迷ったのがコンソメの種類である。チキンかビーフか? 量が多く長期的に飲むことを考えて、飽きが来ないチキンに決めた。適度にとろみがつききつね色になったタマネギに粉末のコンソメを入れた。一気にいい香りがし食欲をそそる。粗挽きのコショウをふりかけ完成である。粗熱を取ったものをタッパに入れて冷凍庫へ入れて固める。固まったものを1回分ずつにカットして、再度タッパへ入れて冷凍保存する。飲みたいときはこのキュービックの塊を取り出し熱湯で解凍すればいい。

 1回の作業で7、8個のタマネギを処理できるので大変効率がいい。このオニオンスープには、味、食感共に大変満足している。夏には冷製オニオンスープもいい。肥満防止で昼食を抜いているので、これが最高の昼食になっている。しかし、おなかのでっぱりは常に大豊作状態である。

<冷凍オニオンスープキュービック>