その23
<23-1>近大学長「常識破りの大学解体新書」(塩﨑均)
私は、人と人との出会いは偶然とは考えていません。73億人の人口が存在する地球でわれわれが一生かけて出会うことができるのは何人でしょうか。どうしても会わなければならない人とは必ず出会う、それも早すぎもせず、遅すぎもしない、ほんの一瞬の出会いです。だから、人との出会いを疎かにしてはならない、幸せが通り過ぎるのを見過ごしてはならないと思うのです。
<23-2>土の科学(久馬一剛)
19世紀末にクルックスが小麦問題について危機感を表明した時、世界の人口は16億であった。彼は窒素が制約となってヒトの増大に終止符が打たれるのではないかと危惧していたのであるが、ハーバー・ボッシュのアンモニア合成はその制約を取り外し、その後100年に人口を4倍に増やした。さらに今世紀の半ばに人口は90億を超えると予測されている。いまやヒトの増殖を食い止めるには、リン酸の枯渇を待つほかに方途はないのかもしれない。
<23-3>頭脳勝負(渡辺明)
午後六時の中断時刻になった時に手番のほうが紙に指し手を記入し、封をします。2日目の午前9時に封じ手を開封し、そこに書いてある手を指して2日目の戦いが始まります。こうしておけば手番による有利不利はある程度解消できます。この「封じ手」をめぐって駆け引きがあり、当然ですが、するほうは1手先の局面を考えることができます。選択肢が多い局面で封じ手をして、相手の意表をつくことができれば、2日目の朝に「1本取った」というように精神的に有利になれます。封じ手をする、しないの駆け引きは1日目の午後に展開され、材料は封じ手の権利と持ち時間。
<23-4>ワイン生活(田崎真也)
値段の高い安いに関係なく、すべての赤ワインまたは白ワインについていえることで、若いうちは果実の香りとスパイスの香りが中心なのが、熟成するにしたがって、きのこや有機質をたくさん含んだ土の香りに限りなく近づいていくのです。
<23-5>ケンカの作法(辛淑玉・佐高信)
アメリカの法律が変わっていますよね。障害者に関するADA法という法律があって、この法律が認定する障害者というのは、日本とは大違いなわけ。太っている人も障害者、少数民族も障害者、女性も障害者。そして、そういう人たちに適切な対応をしていない企業は、例えば入札に参加できないとか、活動が制限されるんです。
<23-6>「お通し」はなぜ必ず出るのか(子安大輔)
店が客を呼び込めるエリアのことを「商圏」と呼びます。野菜は商圏が狭く、ラーメンや寿司は商圏が広いと言えます。一般的に味のインパクトの強いものや高級なものなどの嗜好性の高いジャンルほど、商圏は大きくなる傾向にあります。
<23-7>お酒でおいしーく酔える本(博学こだわり倶楽部)
本場の欧米でシャンパンを飲むときは、特に女性はご注意である。というのもシャンパンは、「口説きの酒」の異名を持つように、男と女の間の愛だとか情事のサインに使われることがあるから、それを知らないと、とんだ誤解を招くことになるのだ。バーで飲んでいるとき、見知らぬ女性が近寄ってきて「シャンパンを飲ませて」というのは、まず売春を生業とする女性のセリフである。女性が男性と飲んでいて、「シャンパン飲まない」と言われたとき、「うん、飲む、飲む」なんて気軽に言うと、「今夜OKなんだ」と早合点される元となる。
<23-8>10万円から始める投資信託入門(稲葉精三)
投資信託は、自分のお金を投資する際に、金融機関に預け、運用の専門家にお金を殖やしてもらうように委託する、つまり「信じて託す」ことです。
<23-9>組織を変える<常識>(遠田雄志)
組織の適応とは、常識を次々と更新することによって、盛衰する環境を途切れなく創造してゆくことである。
<23-10>機長が語るヒューマン・エラーの真実(杉江弘)
英語にはヒューマン・エラーという言葉はない。なぜなのか。それはエラーを犯すのは人間しかなく、あえてエラーの前にヒューマンという言葉を付け加えないからである。欧米では個人の責任追及より、再発防止が優先されるという考え方が一般的である。
<23-11>ウェブ進化論(梅田望夫)
「売れない本」でも、インターネット上にリスティングする追加コストはほぼゼロだから、アマゾンは230万点もの書籍を取り扱うことができる。しかも「売れない本」には価格競争がないから利幅も大きいとよいことずくめになる。これがロングテール現象である。そしてこの現象は、特にデジタルコンテンツのネット流通において顕著に現れる。
<23-12>不動産は値下がりする!(江副 浩正)
マンションはクレーム産業といわれ、マンション事業主と購入者との間のトラブルは建物の区分所有法が施行された昭和38年以来ずっと絶えない。
<23-13>これでもがん治療を続けますか(近藤誠)
抗がん剤も苦しみの原因になります。ほとんどの抗がん剤は、正式に毒薬指定されていることから判るように猛毒です。それらを投与すれば、種々の機能が害され、患者が苦しくなるのは当然です。
<23-14>SNS的仕事術(鶴野充茂)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)を捉える上で1つのベースとなっている理論があります。「6次の隔たり」というもので、「人は世界中のどんな他人とも、実は6人以内の人間関係で結ばれている」という仮説です。
<23-15>二酸化炭素温暖化説の崩壊(広瀬 隆)
天然ガスは可採年数が60年とされてきたが、実は地球が内部から生み出すもので、無尽蔵に生産される、という科学的な説も有力になってきたので、業界内部では涸渇説はほとんど語られていない。
<23-16>できる社長は机が小さい(臼井由妃)
便器の蓋を閉めるということに気をつけてください。なぜか、業績のいい会社のトイレの便器の蓋は確実に閉まっています。
<23-17>川漁師神々しき奥義(斎藤邦明)
夜も8時を過ぎれば、真っ暗になりますが、なぜ12時を過ぎんと網を出さんのかいうとね、そのころになるとアユの腹は空っぽなんです。魚はみんな同じですが、とくにアユは腹が傷みやすいですけんね。昼間食ったエサを全部消化しとらんと、それが腐って足が早くなりますし、だいいち食って不味いですよ。私はそう考えてますんで、深夜から明け方に捕るようにしとるんです。
<23-18>学習する組織(高間邦男)
魚は頭から泳ぐからね、上が変わらなければ駄目なんだ。
<23-19>壊れる男たち(金子雅)
セクハラ事件の主役たちは、相手の立場をわかろうとしない共感性を欠いた男たちだといっていい。こうした男たちには、一人よがりな男性優位の発想が抜きがたくしっかりと根を下ろしている。
<23-20>M&Aの基本(前川 南加子、松下 円、野寺 大輔)
M&Aは、一般に、成功率が3割から5割といわれるリスクの高い投資です。
<23-21>サバがトロより高くなる日(井田徹治)
マングローブ林の破壊は、大きな問題になっている熱帯林の破壊を上回るペースで続いており、少なくともその38%が、エビ養殖と関連があるという。抗生物質や大量の餌や排泄物による水質汚染と土壌の塩類化、酸素減少なども依然として各地で報告され、エビの幼生や餌になる小魚の乱獲も深刻化しているという。
<23-22>悩む力(姜尚中)
信仰を意味する「レリージョン」の語源はラテン語の「レリジオ」で、制度化された宗教というニュアンスがあります。つまり、宗教というのは「個人が信じるもの」ではなく、「個人が属している共同体が信じているもの」だったのです。
<23-23>大麻入門(長吉秀夫)
建国当初のアメリカでは、大麻栽培を国家が奨励していた。初代大統領ジョージ・ワシントンも、3代大統領トマス・ジェファーソンも大麻農場を経営しており、産業用大麻のほかに、医療や嗜好品としても大麻を使用していた。有名なアメリカ独立宣言の草案も大麻紙に書かれている。
<23-24>後手という生き方(瀬川晶司)
プロ将棋の世界では一手の価値はかなりのもので、ほとんどの棋士は先手番を好む。序盤であれば一手先行している先手が主導権を握りやすいし、一手遅れて指し始める後手はどうしても受身になりやすい。勝率も年度によって多少違うけれど、おおむね5割2分から4分と先手のほうが高く、過去数十年をさかのぼってみても、後手が勝率で上回ったことは一度もない。
<23-25>同時通訳はやめられない(袖川裕美)
同時通訳は、実際には元の起点言語の7割くらいしか転換できない。しかし、論旨を伝えるという点では、このくらいで十分である。9割くらい訳出するような通訳者もいて、ほんとうに見事だが、早口になりすぎて何を言っているのか、よくわからなくなることもある。実際、どのくらいの訳出量が最適かについては、通訳者の間でも意見が分かれる。