農らり、食らり、飲~んびり
その29
<29-1>菌が地球を救う(小泉武夫)
酒を飲むと腸内細菌に影響があるかと心配する人がいるかもしれませんが、アルコールはほとんどが腸にたどり着く前に吸収されてしまいますから、アルコールによって、腸内の菌が影響を受けるということもありませんので、安心してください。
<29-2>野菜畑のウラ側(松下一郎)
無機とはミネラル、いわゆる鉱物をさす言葉なのです。これは無機肥料として認知されているもので野菜にはとてもいい肥料の1つです。なぜなら野菜は無機物しか吸収しません。有機物は一切吸収しないのが植物です。ですから有機も無機になってからでなければ吸収されないというわけです。
<29-3>京都人の舌つづみ(吉岡幸雄)
ときに上等なものでも食べたいと思い、しかし料理屋は高いからと自宅で何とかしようと節約してみたところで、素人では、そもそも上質な素材自体が手に入らないのだ。やはり、それなりの料理屋で味わう一品は、素材の質からして違うものであることを認識しておいた方がいいと思うのである。
<29-4>身体が若返る10の生活習慣(中野ジェームズ修一)
思春期を過ぎて大人の身体が出来上がるのは20歳前後。体力がピークに達するのもこのころです。筋肉は体重比で体のおよそ40パーセントを占めていますが、そこを頂点としてだいたい年1%の割合で、体の筋肉量は減っていきます。
<29-5>老いない技術(林泰史)
過去50年間で平均寿命が30年間も延びたのは3歳以下や20~30歳といった若い年代での死亡が減ったためで老化防止による寿命の延びではないのです。
<29-6>プロ交渉人(諸星裕)
英語は話していて、意味にずれを生じさせる余地が少ない。たぶん、このあたりが、英語が国際交渉言語として際立っていることの理由ではないだろうか。
<29-7>M&Aで会社を強くする(金児昭)
会社の中で経営上・会計上一番大事な科目は何かというと売上高だと思います。利益は非常に大事ですが、売り上げがなければ利益は出ません。
<29-8>「関係の空気」「場の空気」(冷泉彰彦)
「皆さん、日本では『イエス・ノー』をあまり明確に言ってはいけません。特に、『ノー』を言わなくてはならないときは要注意です。日本語の会話では常に発語の50%以上は聞き手との人間関係を良好に維持する配慮の表現だと思ったほうがよいでしょう。むきだしの『ノー』を使うと、ノーという意思を伝えるよりも、相手への敵意を突きつけたいのではと誤解されることになりますよ」
<29-9>「頭がいい人」の快眠生活術(保坂隆)
時差ぼけは、一般に西に移動するときのほうが軽く、東に移動するときのほうが重い。体内時計が24時間より少し長く設定されている関係で、1日が伸びるほうが順応しやすく、24時間より短縮される方が生理的にきついためである。
<29-10>近藤先生「がんは放置」で本当にいいんですか?(近藤誠)
ピロリ菌を除去すればがんの発生は減りました。がんが出たそのほとんどは粘膜内がんなのです。これは日本ではがんと診断されますが、欧米ではがんと診断されません。要するに、胃の粘膜の慢性変化であり、がんもどきです。ピロリ菌があっても、出てくるのはほとんどががんもどき。ということは、ピロリ菌の除去は、がんもどき予防にはなっても、本物のがんの予防にはなっていないわけです。
<29-11>死の壁(養老孟司)
交通事故を起こしやすい性格というのは、精神科医の「自由連想」で引っかかる人だそうです。
<29-12>ドリアン(塚谷裕一)
熱帯の果物の種子は、果肉がなくなり次第、極めて速やかに発芽が始まる性質がある。これはもともと発芽の抑制物質が含まれているからだ。
<29-13>他人を見下す若者たち(速水敏彦)
思い込みで相手の非をまくしたて、自分の非はいっさい認めず、すべて相手が悪いと訴える人たち、互いに譲り合いながら解決することを嫌がり、自分の要求をすべてのんでほしいという勝手な人たちが、確実に増えているという。
<29-14>サラリーマンは2度破産する(藤川太)
25歳から75歳までの50年間にわたり車を乗り続ける(車:180万円、車検費用:12万円、自動車保険:年7万円、自動車税:年4万円、ガソリン:月1万円、駐車場:月1万円)とすると、合計で3000万円と計算できる。
<29-15>「体重2キロ減」で脱出できるメタボリックシンドローム(栗原毅)
アルコールは1gあたり約7キロカロリーのエネルギーを持っています。その利用率は約5キロカロリーといわれています。しかし、うまいことに速やかに吸収され代謝されてしまうので、糖質や脂質に比較して体重を増加させる作用は少ないのです。
<29-16>賢い皮膚(傳田光洋)
神戸大学のグループの調査で、阪神淡路大震災後、アトピー性皮膚炎患者の状態を調べたところ、住んでいた家の壊れた程度、すなわち全壊、半壊、ほとんど被害なし、の順に病状の悪化が認められた、という報告がありました。これは皮膚病と住環境の変化による心のストレスとの関係を示唆していて興味深い調査結果です。
<29-17>旭山動物園革命(小菅正夫)
偉大な学者にして偉大な探険家・登山家である今西錦司。彼が「今西進化論」の中で言っているのは、生物は、戦って戦って居場所を決めるのではなく、自らあるようにある。これこそが自然なのである。
<29-18>人間力の磨き方(鳥越俊太郎)
私の経験では、プレスパスなどのIDカード、危険を素早く察知する事故防衛本能または危険予知能力に加え、「グリーンノート」、つまりドル紙幣。これが一番大事だと思う。最後はドルで命を買うしかない。これは内戦状態となっている地域での私の経験則だ。
<29-19>日本の「食」は安すぎる(山本譲二)
「安いってことは、どこかにしわ寄せが行っているということだよ。で、どこにそのしわ寄せが行くかといえば、食品の場合は、大体人の身体さ」こんな言葉を聞いてから、私も、安すぎる食品には注意するようになったのだ。
<29-20>サンゴとサンゴ礁の話(本川達雄)
オーストラリア大陸の東海岸に沿って、延々2000キロメートルも続くものです。生物がつくった最大の構造物がグレートバリアリーフ。これは月からでも見えるそうです。
<29-21>宝石の裏側(内藤幹弘)
ティファニーのオープンハートは店頭で買えば2万円はします。ではその原価はいくらでしょうか。あくまでも原材料費だけを見た場合、銀地金に換算すればわずか数十円。仮にコピー賞品を作ろうとした場合、簡単に作業すれば、加工料込みでも原価はせいぜい300円なのです。
<29-22>「育つ土」を作る家庭菜園の科学(木嶋利男)
多年草は一度植え付けると長い間栽培することが可能です。しかし、日本にはしっかりした四季があり、冬を越せずに枯れてしまうため、トマトやナスのように1年草と思われている野菜も数多くあります。
<29-23>田中角栄権力の源泉(大下英治)
人の一生というのは、やはり運だ。実力がある、といくら自分が自負しても、うまくいかないものは、うまくいかない。努力と根気と勉強・・・それがあってこそ、運をとらえるきっかけができたんだ。
<29-24>京都人の舌つづみ(吉岡 幸雄)
京都の「食」を堪能するにはいつがいちばんいいのでしょう、とたずねられることがある。そんなとき、食べることを第一に京都へお越しになるのなら、11月の終わりから1月いっぱいがいいですよ、と答えることにしている。なによりも、その時期は、冬の野菜、水菜、大根、日野菜、九条葱などに霜が降りて、味が深まっているからである。
<29-25>ワインと外交(西川恵)
ゲストとして迎える外国首脳の中で、「最も難しい国は中国」という点で先進国は一致する。事前の訪問準備の折衝で、中国はプロトコールでさまざまな要求をホスト国に突きつけるからだ。