その35

<35-1>Suicaが世界を制覇する(岩田昭男)
 
アップルはiPhoneでSuicaが使えるようにするために、それまでの方針を捨ててフェリカを採用した。それによって、日本という極東ローカルで独自の進化を遂げ、”ガラパゴス”と揶揄されてきたIC乗車券・電子マネー、Suicaが世界標準の電子マネーの仲間入りを果たし、世界ブランドに飛躍する可能性が生まれたのだ。
 
<35-2>数学が歩いてきた道(志賀浩二)
 
「もっとも強いものは必然である。万物を支配するがゆえに」「もっとも賢いのは時である。万物を見出すがゆえに」何が難しいかと問われて「自分自身を知ること」何が容易であるかと問われて「他人に忠告すること」どうすれば最も優れてもっとも正しい生き方ができるかと問われて「他人に向かって非難するものごとを、自分がしないようにするならば」どんな人が幸福かと問われて「体は健康、心は闊達、そして資質の素直な人だ」
 
<35-3>数学を使えるビジネスマンはみな幸福である(内山力)
 
政府は毎月「景気動向指数」(ディフージョン・インデックス)を発表しています。このDIは大きく次の3つに分けられます。①先行指数:景気の先行きを見るための指標。新規求人数、在庫指数、機械受注、新設住宅着工面積など。②一致指数:現在の景気と一致していると思われる指標。生産量、原材料消費量、稼働率など生産に関するもの、百貨店や卸売業の販売量、残業時間や有効求人倍率など労働に関するものなど。③遅行指数:景気に遅れて動く指標。法人税収入、失業率など。
 
<35-4>田舎力(金丸弘美)
 
開店に必要なものを書き込んでいく。飲食店なら、皿、箸、コップ、スプーン、テーブル、いすなど、店で使うものすべて書き出す。店を一度でももった経験がある人なら、400くらい出てくる。でも初めてという人は、200くらいしか出てこない。
 
<35-5>人の気持ちがわかる脳(村井俊哉)
 
自分の感情をコントロールできず、ちょっとしたことなのに、あとになって自分でもびっくりするくらい腹を立て、怒りを爆発させてしまう。そうしたかたがたが、脳のどの場所に傷を負っているかを調べてみると、腹内側前頭前皮質に傷があることがとても多いのだ。
 
<35-6>法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる(奥村佳史)
 
私が節税対策に求める効果は次の通りです。①課税の繰り延べではなく、永久に税負担が減少するものであること②会社が余計な支出をしなくていいもの③会社の損益計算書に損失が計上されないもの
 
<35-7>司馬遼太郎 リーダーの条件(半藤一利、他2名)
 
「ある目標をもってから海外留学をした人間がいいリーダーになっている。海外に行かずにおしいことをしたのは西郷隆盛と竜馬だ」
 
<35-8>インプラントの正しい知識と歯科医の選び方(松本正洋)
 
今の歯科医は歯科大学でインプラントを学んでいません。大学の歯学部は全国に29ほどありますが、インプラントの授業はどこも行っていなかったのです。現在は、東京歯科大学を始め、インプラントの講座が開設されています。しかし、今の30歳以上の歯科医は、大学を卒業してからインプラント治療の技術を独学で勉強しているのです。この現実が、歯科医の腕に確実に差をつけてしまっています。インプラント治療の技術は、玉石混交といっていいほど、歯科医によって大きく異なってきます。
 
<35-9>したたかな寄生(成田聡子)
 
古代から現代に至るまで5000年もの長きにわたって愛されて、人間と生活空間を共にしてきた猫には実は私たちを操る能力を持つ微生物が存在しています。その微生物に感染すると交通事故に遭いやすくなったり、性格が変わったり、魅力が増したり、犯罪の道に走ってしまう可能性があるというのです。その不思議な微生物とはトキソプラズマという小さな寄生虫です。
 
<35-10>逆襲される文明(塩野七生)
 
EUには、建前とはいえ、リーダー国はあってはならないと決まっている。だが、この種の考え方は理想かもしれないが、現実的ではない。なぜなら人類は、現代までの2500年にわたってあらゆる政体、つまり王政から共産主義までのあらゆる政体を考え出し実験してきたのだが、指導者のいない政体だけは考え出すことができなかったという事実を忘れているからである。
 
<35-11>ロジカルな田んぼ(松下明弘)
 
稲は110~130日ほど田んぼで暮らしますが、稲刈りのベストタイミングは、静岡だと、そのうち5日程度しかない。その時機を逃すと、ガクンと味が落ちます。品質のばらつきを防ぐためにも、ピークをはさんだ3日間に収穫してしまいたい。
 
<35-12>なぜ女性は老後資金を準備できないか(野尻哲史)
 
国連の定義によると、65歳以上人口の総人口に占める比率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、さらに20%を超えると「超高齢社会」です。しかも、まだこれからさらに高齢化が進み、2050年には39.3%に達する見通しです。
 
<35-13>雑巾がけ(石川知裕)
 
小沢一郎は人を信じて用いる、すなわち「信用」することはあっても、人に頼ること、すなわち「信頼」はしない政治家だと思う。
 
<35-14>報われない人の9つの習慣(小宮一慶)
 
成果主義がおかしな形で導入されたことで、多くの人が間違った考え方をしてしまいました。成果主義は、儲けること自体を「目的」としています。でも、本当に「目的」とすべきなのは「良い仕事」なのです。
 
<35-15>なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか(青木高夫)
 
オックスフォード辞典を引いて、ルールとプリンシプルの意味を調べてみるとこう書いてあります。◇ルール:行動が準拠すべき、または準拠することを要求されるプリンシプル。◇プリンシプル:理性や行動の基礎となる、基本的な心理・法律。つまり、ルールもプリンシプルの1つではありますが、プリンシプルの方が根源的で、どんな場合にも変わらない真理性を含んでいるのです。ルールは「行動に関する規定」、プリンシプルは「行動に関する原則」とか「自分の流儀」と訳したらよいでしょうか。そうであれば、ルールが代わることに大きな問題はありませんが、プリンシプルがコロコロと代わるようでは問題です。
 
<35-16>9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方(福島丈二郎)
 
良好な人間関係を作り、活発なコミュニケーションを実現するためには何が必要なのでしょうか。一言でいえば、相手の存在を認めるということです。そのために、前述したように、いつも見ている、マメに声をかける、といったことが必要になります。このような相手を認める行為を「ストローク」といいますが、ストロークこそ、良好な人間関係を作り、人を育てる基本中の基本です。
 
<35-17>2014年、中国は崩壊する(宇田川敬介)
 
何よりも、中国人民は「生活に困窮しない」からこそ、共産党の一党独裁体制を消極的ながらも認めてきた。しかしバブル崩壊によって景気が大幅に後退し、生活が困窮する事態になれば、一党独裁体制を認めなくなる可能性がある。中国の崩壊はこの一点にかかっているといえよう。
 
<35-18>気にしない技術(香山リカ)
 
仕事には演技が必要なのです。それを自覚しないで、「本当の自分はこんなことは苦手なんだ」とか「もっと自分にふさわしい場所があるはず」なんて思ってしまうからつらくなったり、うまくいかなくなったりするのではないでしょうか。
 
<35-19>腸マネジメント(松生恒夫)
 
便秘が大腸がんの原因になるかどうかは明確ではありませんが、大腸がんの占める部位を調べると、約70%が肛門に近い直腸とS字状結腸に便が貯留する時間が長いことが原因の一つと考えられるのです。
 
<35-20>電車通勤の作法(田中一郎)
 
階段ではホームへ向かう人の流れが優先、という不文律があります。
 
<35-21>ニュースの裏を読む技術(深澤真紀)
 
結婚することを「入籍する」「○○家に入る」と言う人はいまだに多いのですが、法的には、結婚とは、男女がお互いの親の戸籍を抜け、夫婦の「新しい戸籍」をつくることなので、「入籍」でも「○○家に入る」ことでもありません。
 
<35-22>地下水は語る(守田優)
 
水利権の制約がなく、自分の土地の水は自分のものである、という民法207条に基づく私水であることによって、地下水は工業用水として決定的な優位性を持つこととなる。
 
<35-23>からだが変わる体幹ウォーキング(金哲)
 
ダイエットの必要な実業団の選手などには、夕食後にウォーキングをして、一度余分なエネルギーを使ってから就寝する人も多く見られます。
 
<35-24>42.195kmの科学(NHKスペシャル取材班)
 
つま先からの着地は、日本のランナーには適していないという答えが返ってくる。その理由は「つま先からの着地は、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱などへの負担が大きいから、東アフリカの選手のように筋肉が発達していないと難しい」というものだ。確かに、マカウと同様、ゲブレシラシエやウィルソン・キプサングの走りをハイスピードカメラで撮影してみると、彼らもつま先から着地をしていることがわかった。この着地は、いわば東アフリカのトップランナーの特徴だといえよう。
 
<35-25>待つ力(春日武彦)
 
我々は、誰もが一人残らず「待つことに翻弄される人たち」なのです。そんなことは御免だと思っても、待つことからは決して逃れられない。そこに苦しみや苛立ちと、たまに喜びが含まれる。