その11

<11-1>ニオイをかげば病気がわかる(外崎馨一)

偶然の産物としてしか人工甘味料を作ることができなかったのには、理由があります。それは、数多くある甘味物質に共通している点がまったくないからなのです。どれもまったく違う物質・構造なのに、なめるとなぜかみな同じように甘いのです。

<11-2>毒草を食べてみた(植松黎)

人間はキョウチクトウの気孔の秘密をかぎわけ、高速道路の生垣というまことに都合のいい使い方を思いついたけれど、道路が火事になることなど考えていないのだろう。そのときこそ、キョウチクトウが恐るべき毒草として復活する日なのではないだろうか。

<11-3>中国人にだまされない7つの方法(石平)

実技能力を軽視し、職人を差別する中国の産業からは、いつまでも新たな製品が誕生しない。「モノづくり」が日本になかなか追いつかないのは、そのためだ。

<11-4>天を敬い人を愛し医に生きる(塩﨑均)

いやなことから逃げようとすると、それなりの人格しか形成されません。人格というのは、いわばその人の努力の証なのだということもまた事実でしょう。世間では人間の優れた、懐の深い人のことを「人格者」と呼びます。しかし、たとえ「人格者」と呼ばれる人であっても、最初から「人格者」であったわけではありません。その人がたどった道と、その道をたどるために要した尽力の結果、「人格者」という呼称を手にすることができるのです。つまり人間は最終的には後天的に形成された人格で評価されるのですから、先天的な性格のことで思い悩む必要などありません。その代りに、人格の形成にはでき得る限りの心と力を尽くしたいものです。

<11-5>夢とビジョンを語る技術(野口吉昭)

本田宗一郎の女房役だった藤沢武夫は、こう言っている。「経営者とは3歩先を読み、2歩先を語り、1歩先を照らすものである」

<11-6>釈迦に説法(玄侑宗久)

松に鶴だとどうしてめでたいのか、ご存知だろうか。たしかに松も長寿、鶴も長生きすると言われる。しかし結婚式で長寿ばかりを祝っても仕方がないだろう。じつは禅語に「松花伴鶴飛」という言葉があり、「松花、鶴に伴って飛ぶ」と読むのだが、そこにこの言葉のめでたさの秘密がある。松は6月ごろ、ピンクの花をつけるのだが、たまたま飛来した鶴の脚に花がくっつき、鶴が飛ぶのに伴って見も知らない土地にその花が落ち、そこで芽を出して根を張りはじめる。そのありようが、花嫁に似ているというのである。

<11-7>ビジョナリーカンパニー(ジェームス・C・コリンズ)

アメリカの建国者たちが力を注いだ問題はこうだった。「われわれがこの世を去ったのちも、優れた大統領をずっと生み出すために、どんなプロセスをつくることができるのか。どのような国を築きたいのか。国の原則は何か。その原則をどう運用すべきか。われわれが目指す国を築くには、どんな指針とし国をつくるべきか」

<11-8>セブンイレブンに学ぶ超変革力(木下安司)

コンビニは先取りがうまいんじゃない。あと読みが早いんです。

<11-9>世界3大料理(神山典士)

ミシュランの星の評価は、1つ星が「その分野でとくに美味しい料理」。2つ星が「遠回りをしてでも訪れる価値がある料理」。3つ星が「それを味わうために旅行する価値がある料理」。この基準は世界中どのバージョンも変わりません。

<11-10>現場力を鍛える(遠藤功)

経営学者のピーター・F・ドラッカーはこう指摘する。「本来やるべきではない業務を効率化しようとすることほど非効率なことはない」

<11-11>冷蔵庫で食品を腐らす日本人(魚柄仁之助)

小麦1キロを作るには2000リットルの水が、米1キロには3600リットルも必要ですと。それらをえさとして牛を育てるわけだから牛肉1キロには2万リットルの水がいる。するとだね、牛丼1杯に換算すると、なんと2トンもの水をつぎ込んだことになるのだよ。

<11-12>女子の本懐(小池百合子)

インドといえばガンジーである。私はマハトマ・ガンジーの「7つの大罪」という考えに共感を覚えている。7つの大罪とは、①哲学なき政治、②道徳なきビジネス、③労働なき富、④人格なき教育、⑤人間性なき科学、⑥倫理なき快楽、⑦献身なき宗教、である。

<11-13>図解で考える40歳からのライフデザイン(久恒啓一)

脳は左脳と右脳に分かれ、左脳は流動性知能つまり言語をつかさどり、理屈を考え、記憶します。これはだんだん能力が下がってきます。つまり忘れっぽくなる。これに対して、右脳は結晶性知能つまりイメージ、発想、創造力をつかさどる。このほうは年齢に関係なく、緩やかに上昇していく、ということがはっきり出ています。新しい分野を開拓したりする能力の点では問題ない、というわけです。

<11-14>実学(稲盛和夫)

最近の各界での不祥事を見ても、経営者の自己本位な甘い判断が、会社を揺るがすような大問題へと発展していったことがわかる。このような点に関しても経営者はまず自らを厳しく律するようにしなくてはならない。

<11-15>みんなが知りたい超高層ビルの秘密(尾島俊雄、小林昌一、小林紳也)

中層ビルの解体で、近隣への影響を少なくしたことで注目された事例があります。鹿島建設の「カット&ダウン工法」です。これは、建物をジャッキで仮設支持した状態で、1階部分を解体除去し、続いてジャッキで建物全体を1階分下げます。これを繰り返して、全体を地上作業だけで安全に解体する工法です。

<11-16>ぼけの予防(須貝佑一)

アルツハイマー病予防にはお酒は適度に飲むとよい。中でも赤ワインがお勧め、ということになるだろうか。

<11-17>戦略の本質(日本経済新聞社)

リーダーシップの本質は、誰を選ぶか、誰を持ち上げるか、誰を押さえつけるか、誰の首をすげ代えるかの判断を伴う人事にある、とエリオット・コーエンは指摘する。

<11-18>世にも美しい数学入門(藤原正彦/小川洋子)

完全数というのは約数を全部足すと自分自身になるというものなんですね。1番小さいのは6です。1桁だと6だけです。2桁だと28だけ、3桁では496が、4桁では8128が、と1つずつあるんですね。完全数は連続した自然数の和で表されるということです。6=1+2+3、28=1+2+3+4+5+6+7となる。

<11-19>外来生物クライシス(松井正文)

毒蛇咬傷治療に関していえば、国内で作られている血清は、日本本土のマムシ用と、沖縄で問題になっているハブ類4種用だけである。闇取引で進入してくる外来毒蛇の血清はほとんどなく、日本蛇族学会研究所が海外から仕入れた一部の外来種の血清をごく少量保管しているだけだ。

<11-20>感染症(井上栄)

居住環境をいくら整備しても伝播をおさえられない伝染病がある。咳でうつるインフルエンザと性交でうつるエイズである。これらが先進国で将来一番重要になる感染症だ。

<11-21>日本の社会戦略(稲盛和夫/堺屋太一)

日本の近代史をみると、およそ40年のスパンで栄枯盛衰を繰り返していることがわかります。あと20年間、日本経済は下降を続け、2025年に日本経済はどん底に陥ることになります。

<11-22>無頼のすすめ(伊集院静)

「誠の恋をする者は、みな一目で恋をする」とシェイクスピアの名言にあるように、男と女のこと、恋愛というのはどうしようもなく「出合い頭」です。だから、どれだけ恋のハウツー本とか恋愛論を読んだところで、こればかりは役に立たないと思います。

<11-23>脱税(大村大治郎)

日本のサラリーマンを苦しめている源泉徴収という制度は、元々、ナチスドイツが作った制度である。

<11-24>数え方でみがく日本語(飯田朝子)

歌舞伎の小屋の看板1枚1枚に出演者の名前を書いてずらっと掲げていました。その際、右側に掲げられる人が上位です。看板の2枚目に記される役者は色男、3枚目にはおどけ役の人の名が記される習慣がありました。そのため、現在でも顔が整っている俳優を「2枚目俳優」そしてコメディなどに出演するお笑い系の俳優を「3枚目俳優」というようになりました。

<11-25>読書力(齋藤孝)

「読書力がある」ラインとは、「文庫100冊・新書50冊を読んだ」というものだ。