農らり、食らり、飲~んびり
その15
<15-1>質問力(飯久保広嗣)
企業経営者(特に大企業)や政治家などは、各分野の専門家に対してうまく質問をする能力があれば、また訓練を受けていれば、その分野の知識に精通していなくても十分にコミットできるのです。ところが、日本は知識の量を重視する社会であったため、専門分野以外に口を出すことをためらいます。経営者であれば、各事業分野から育った部門長に、政治家であれば官僚に任せきりにしてしまうのです。
<15-2>ねぎを首に巻くと風邪が治るか?(森田豊)
人差し指に対する薬指の長さの比率は、母親の子宮内で、男性ホルモンの一種のテストステロンにどの程度さらされたかに関連するようです。テストステロンは脳の発達に作用します。子宮内で高いレベルのテストステロンにさらされると、男性的で、素早い反応、高い自信、リスクを好む行動、攻撃性といった特性を持つ傾向があるといいます。
<15-3>気象病(村山貢司)
汗には疲労を取り去る大事な働きもあるのです。汗の中には疲労物質である乳酸がかなり含まれており、汗をかくことで疲労物質を早めに体外に出すことができます。
<15-4>カビの常識人間の非常識(井上真由美)
マンションの一階は建物の上層部から壁を伝わって水分が集積し、アルミサッシと、壁と鉄の扉から結露で水の溜まり場になって、みそ倉と同じ環境になるので、カビの被害は避けられません。
<15-5>F1ビジネス(田中詔一)
F1マシンとは、スーパーライセンスを所有する世界で20~30人のドライバーの技量を前提として開発されている車である。一方市販車というのは「どんな下手な」ドライバーが乗っても、安全で性能が出ることが大前提になっている。開発思想が、根本的に違うのだ。
<15-6>スローライフ(筑紫哲也)
高温多湿のモンスーン地帯、しかも寒い冬と蒸し暑い夏をふくむ四季の変化がある風土の下で、私たちの先祖はどういう家を作り、住むか、選択を迫られた。どちらへの対応を優先するか、どちらを我慢するか。結局選んだのは、防寒を犠牲にして、開口部を思い切り広げ、外部と内部との境目をほとんど無きに等しいほどに開放できる、湿気と暑さ対応の作りであった。
<15-7>脱税(大村大治郎)
日本では、他人の申告書を作ることができるのは税理士だけ、と定められている。税理士から見れば、税務署が自分たちの仕事を無料でしていることになる。事実、税理士会からは、納税相談をやめるように国税当局のほうに何度もいってきている。しかし、この納税相談をやめてしまうと、申告をしない人が山のように出てしまうので、やめるにやめれないのである。
<15-8>トヨタ式経営の18の法則(今岡善次郎)
「すべての頭脳労働は、現場から企画部門に位置替えすべきである。君たちに考えるいことを期待してはいない。考えることで給料をもらっている人は別にいるのだ」
<15-9>99.9%は仮説(竹内薫)
局所麻酔についてはメカニズムが詳しくわかっているのですが、驚いたことに、全身麻酔については、ほとんどわかっていないのです。手術のときに、「怖いから局所麻酔じゃなくて、全身麻酔にしてくれ」などとは、ゆめゆめいうなかれ・・・。
<15-10>効果10倍の<教える>技術(吉田新一郎)
「人間は習慣の奴隷ですから」習慣を変えることはそう簡単にできないことも教訓として教えてくれています。
<15-11>猟師だけが食べている直伝浜料理(野村祐三)
われわれが目にするアワビには、マダカアワビ、メガイアワビ、クロアワビ、エゾアワビの4種類があり、それぞれに味や歯ごたえに差があることは案外知られていない。マダカは殻長25センチになるほど大きく成長し、身が柔らかいのが特徴である。メガイはマダカによく似ているが、殻の長さが15~17センチと小型で、見た目が女性的なのでこの名がある。クロは色が黒く身も固くて、いかにも男性的なところからオガイとも呼ばれる。水分が少なくて水揚げしたあとに目減りしないため、すし屋で重宝されていると聞く。エゾアワビは歯ごたえがクロによく似ているが、クロに比べると小型で細長い殻を持っている。
<15-12>サバがトロより高くなる日(井田徹治)
人工フカヒレには2種類あって、1つは本物のフカヒレを生産するときに出たカスのヒレを寄せ集めてゼラチンを使って整形したもの。これは成分的には本物のフカヒレと同じで、風味もほとんど差はない。もう1つは、海藻から取れるアルギン酸という物質に注目した人工的なフカヒレだ。
<15-13>「頭がいい人」の快眠生活術(保坂隆)
午後11時から午前2時は美肌タイムといい、この時間に眠っているかどうかで、肌のコンディションは大きく影響を受けるといわれている。
<15-14>やめたら(大橋巨泉)
外国のように全員1番からスタートさせて、18ホール回らせると、1日せいぜい170人くらいしか入れられません。日が短くなる冬は150人を切るでしょう。しかもスルーでプレイさせると、終わってから全員が食道を使うとは限りません。より多くの客をいれ、食堂で金を落とさせる、これを目的に考え出されたのが「アウトとインの同時スタート、ハーフで飯」という日本独特の方式ですこの場合であると優に200人は入れられます。しかも全員必ず食道で食べることになります。
<15-15>私鉄探検(近藤正高)
井の頭線と京王線は線路の幅(ゲージ)が違う。井の頭線でとられているゲージは、JRの在来線をはじめ日本の多くの鉄道路線で採用されている狭軌(1067ミリ)だ。これに対して、井の頭線以外の京王の全線及び相互乗り入れする東京都営地下鉄新宿線では若干広めの1372ミリのゲージが採用されている。
<15-16>バカ社長論(山田咲道)
「ポストイット」は小さな用紙に、貼り付けたり、はがしたりできる接着剤をつけたところに特徴があります。3Mでは使い物にならない接着剤の特徴を生かした商品開発をして、大成功させたのです。
<15-17>旭山動物園革命(小菅正夫)
放っておいてもがんがん新しいことをやっていくタイプもいれば、なかなか新しいことを考え付かないタイプもいて、近道を探すのは上手ではないけれども、少しずつ前進していくタイプもいる。組織というのは、後者2つのタイプのような人がのびていく環境でなくてはならない。
<15-18>チーズの悦楽十二カ月(本間るみ子)
チーズを何種類か食べ比べるときの口直しにはりんごのスライスが最適です。
<15-19>他人を見下す若者たち(速水敏彦)
現代の若者に社会的迷惑行為が多いのは、自分自身を監視する注意力が発達していないからであろう。
<15-20>「関係の空気」「場の空気」(冷泉彰彦)
驚く人もあるかもしれないが、敬語とは話し手と聞き手の対等性を持った言葉である。
<15-21>コンプライアンスの考え方(浜辺陽一郎)
欧米で「コンプライアンス」といえば、法令だけでなく、企業倫理(ビジネス・エシックス)も対象とする議論が一般的になっている。
<15-22>ISOが会社をつぶす(山崎裕司)
経営とは、会社のあるべき姿を目指してPDCAを回すこと。管理とは、部門のあるべき姿を目指してPDCAを回すこと。要するにシステム化。そしてそれこそがISOの求めているところなのだ。ISO導入は会社に経営、管理を持ち込むことと同じ意味。
<15-23>汗をかけない人間は爬虫類化する(五味常明)
人類は脳と汗腺をセットで進化させ、汗腺の進化なくして能の進化はなかったといっても過言ではない。
<15-24>菌が地球を救う(小泉武夫)
人間は妊娠期間が10ヶ月ですけれども、病原性大腸菌は18分です。
<15-25>ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ(佐藤克文)
ペンギンが体内に蓄えられた空気によってもたらされる浮力を使い、前ひれを動かすことなく水面まで浮上してくるという行動や、ペンギンたちがこれからもぐろうとする深さに応じて吸い込む空気量を調節するといった発見があった。