農らり、食らり、飲~んびり
その30
<30-1>その物言い、バカ丸出しです(梶原しげる)
結論を言えば、たったの2秒で受ける印象と、その何倍かの時間をかけたときの印象の違いは、2割もない。すなわち、人の印象はたったの2秒で決まる、というわけだ。
<30-2>口の中を見れば全身の病気がわかる(島本英治)
交感神経が優位な日中は、体の中でどんどんウイルスが増えてしまいます。一方、夕方から夜にかけては、体温や心拍数を下げ、休息やリラックスの状態をつくる副交感神経が優位になります。ここでようやくウイルスをたたく力を持つリンパ球が活動を始めるので、夜になってウイルス対リンパ球の戦いが激化し、痛みも強くなるわけです。
<30-3>じつは怖い外食(南清貴)
養豚業者が近所のコンビニから食品残渣をもらい受け、それを飼料にしていたそうである。すると数カ月後、豚の出産に異常が出始めた。まず死産が圧倒的に増え、生まれた子豚に奇形が目立つようになった。
<30-4>脳内麻薬(中野信子)
愛情があるからセックスしたくなるのか、セックスすると愛情が形成されるのかという問題は時々話題になります。実は動物の浮気の研究から、この答えの一部はおそらく後者、つまり「セックスによって愛情が深まる」ことがわかってきました。
<30-5>これでもがん治療を続けますか(近藤誠)
結局リンパ節は、臓器移転へ向けての中継基地ではなかったのです。臓器に転移する性質のがん細胞は、リンパ節にも移転していることが多い、というだけでした。
<30-6>日本に「宗教」は要らない(ネルケ無方)
「大心」とは、海のような深い心、山のような大きな心のこと。海が、「きれいな川だけ流れてきてほしい。汚い川は来ないで」と選り好みしたら、大きな海にはならない。海は、すべての川を自分の中に受け入れている。山が、「この土は汚いからいらない」などといっていたら山になれない。埃も土も石も自分の上に積んでいくから大きな山になる。そのような広い心を持ちなさいという教えである。
<30-7>ボケない「長寿脳」の作り方(伊藤準也)
65歳を過ぎると5歳年を取るごとに、認知症の発症率が”倍々ゲーム”になっていきます。60~65歳の認知症は1%ですが、85~90歳は42%になる。
<30-8>修羅場の極意(佐藤優)
言語のルールは常に母語を使える者に有利になっています。このルールの上の優劣が英語化への圧力をさらに強めています。
<30-9>薬剤師は薬を飲まない(宇多川久美子)
西洋医学の父、医聖と呼ばれているヒポクラテスは、「人間は自らの中に100人の名医を持っている」と言っています。100人の名医というのは、私たちが生まれながらに持っている治癒力のことです。「病気は、人間が自らの力を持って自然に治すものでり、医者はこれを手助けするものである」
<30-10>安岡正篤人生を拓く(神渡良平)
「孟子は『恥ずる心ほど人間にとって大切なものはない』というておる。それは恥ずる心を持っておると、自ら省みて精進するようになり、やがては聖賢の域にも達することができるが、これを失うと、自らを省みることがないから、精進もしない。そのために禽獣に陥ってしまうからである。したがって恥ずる心を起こすということは、過ちを改める上に最も大事なことである。
<30-11>なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか(中野ジェームス修一)
マウスの実験で分かったことは、常に動き続けていれば内臓脂肪がつくことはないということです。そして皮下脂肪は運動とは無関係で過剰なエネルギーをゆっくりゆっくりとためていくということです。
<30-12>キレイゴトぬきの農業論(久松達央)
一般の企業で言えば、新規設立会社の倒産率は1年で5割、5年で8割と言われています。
<30-13>だから日本はズレている(古市憲寿)
失敗例を無視して、成功例ばかりが注目されてしまうことを「生存バイアス」という。
<30-14>定年後のリアル(勢古浩爾)
定年退職になると、その先のレールがないのである。退職とはその駅で降りはしたものの、やはり「終着駅」だったのである。その駅に1人ぽつんと立って周囲を見渡してみても、ほとんどの人には「乗換駅」もその先のレールもどこにもありゃあせんのである。
<30-15>がんを「味方」にする生き方(小林博)
がんの中でも感染症によって起こるがんはいずれ克服されるはずである。だが、大部分のがんは今後も完全に克服されることはあり得ない。
<30-16>路地裏の資本主義(平川克美)
民主主義は理よりも手続きを大切にするシステムです。
<30-17>不祥事は、誰が起こすのか(植村修一)
銀行では、営業時間中、支店長と副支店長がともに外出することは望ましくないとされています。
<30-18>近藤先生「がんは放置」で本当にいいんですか?(近藤誠)
僕がこれまでに診た、前立腺がんで治療をせずに放置した患者さんの中で、最初に転移がなかったのに、あとになって出たという人はいません。前立腺がん転移はたいてい骨に出るのですが、がんが見つかった時点で転移がなかったとすれば、9割り以上の確立でがんもどきです。前立腺がんで転移がある人の5年生存率は、10%程度です。9割りの人は、5年以内に死んでしまう。
<30-19>死の壁(養老孟司)
重症サリドマイド児の死亡率が、日本は75%、欧米は25%だといいます。この差は何なのか。一方で、幼児の死亡率の低さでは日本は最高になっていて、国民の平均寿命は世界一のレベルです。この重症サリドマイド児の死亡率の差を説明すれば、要するに、どこかで「間引き」のような行為が今でも行われているということです。
<30-20>ねこの秘密(山根明弘)
最近の都市部に住むノラネコは、年に何度も発情し、繁殖することがよく見られます。繁華街や商店街に住むノラネコは、日長による季節感がおかしくなってしまうのかもしれませんし、なによりも栄養の摂りすぎが原因と思われる。
<30-21>なぜ皮膚はかゆくなるのか(菊池新)
冬場に乾燥する最大の理由は、「気温が低下することで血流が皮膚の表面に来なくなるから」なのである。寒くなると体温を逃がさぬよう皮膚の血管が収縮するため、血流が減る。血液という水分が来ていないのだ。
<30-22>酒場詩人の流儀(吉田類)
自分の目指す創作活動には、もっと時が必要だという。葛飾北斎が90歳の臨終の床で”あと5年の命があれば真の画工になってみせる”とつぶやいたエピソードと重なる。
<30-23>ヤクザ式 相手を制す最強の「怒り方」(向谷匡史)
ビジネスマンも、窮地においては「答えず、怒らず、巧みな話術で矛先をかわす」というヤクザ式を応用すれば、以外にうまく納まるものだ。
<30-24>「育つ土」を作る家庭菜園の科学(木嶋利男)
原産地の条件を無視しても栽培を可能にしたのは農薬と化学肥料です。また、地域適応性を早める方法として育種があります。しかし、現代の品種は農薬と化学肥料があることを前提に育成されてきたため、地域適応性以上に農薬と科学肥料への依存度が高い品種です。
<30-25>田中角栄権力の源泉(大下英治)
江戸時代前期の「世間胸算用」など商人道を描いた浮世草子作者の、井原西鶴の言葉を思い起こした。「よく集め、よく散ずるを英雄という。よく集め、散ぜざるものを持って守銭奴、集めるを知らずして使うのを阿呆という」