ブロックアート

 わがアトリエは夏暑く、冬寒い。冬の寒さは、今や温暖化の影響でそれほど大騒ぎをするまでもない。それとは対照的に夏の暑さは大変である。エアコンを使用しなければ40℃を超える日がある。体温をはるかに超えている。扇風機を回すとよけいに暑く感じてしまう。なんとか涼しくしようと、屋根に水を撒くが、まったく涼しくならないどころかさらに暑くなる。理由は、屋根から落ちた水がコンクリートで熱せられさらに湿度を上げるからである。壁全面に蔦を這わせようと思うが、手入れが大変そうであきらめた。では、壁に穴をあけて自慢の植木瓶をいたるところに埋め込めばどうか? 冬の隙間風が気になるのでやめた。やはり、夏暑く、冬寒いという自然を楽しむことがベストである、というところに落ち着いた。

 植木瓶があちこちに置かれているが、とりわけ目立つようなことになっていない。それではもったいないということで、これらをもっと目立つところへ進出させることにした。これらを生かすには、無機質なところからにょっきりと現れているところに価値が生まれるように思う。そこで、どこにでもあり、どこにもないような光景ということで、ブロックに突き刺すことにした。ブロックは非常に割れやすいい材質なので、穴をあけるという行為が非常に困難である。たがねでコンコンと作業をするのであるが、その音があまりにも大きく、長時間続けることが困難である。近所に迷惑をかけない程度に掘り進めた。気を付けつつ適度な穴を2個開けて、植木瓶を差し込んだ。結構いいバランスに仕上がった。安定感があり、かつ植えてある植物もいい。震度3程度までは大丈夫そうである。しかし、なんの植物かはよくわからない。特にトゲトゲのものは雑草であると思われるが、こんな雑草は見たことがない。おそらく購入した水苔に種が紛れ込んでいたのであろう。外来種ということになると、その繁殖力に気を付けなければならない。何しろ、外来種というのは繁殖力や適応力といったものが並外れているものが多い。あくまでも観賞用として、植えているのであるから、外部に広めてはいけない。監視をしっかりとしていく必要がある。花が咲くようなことがあると、種の管理もしなければならない。

 今後は管理を必要といない作品作りに徹しようと思う。管理するのは自分だけで十分である。いや、十分すぎて最近では持て余し気味である。