虫対策

 山歩きや家庭菜園を行っていると、有害、無害にかかわらず多くの虫と接触することがある。無害な虫に関しては今回ここでは取り上げない。有害な虫に対しての対策を検討してみたい。

 有害な昆虫には2種類ある。人体に悪影響を与える場合と、栽培している果樹や野菜に悪影響を与える場合である。ここでも的を絞り、人体に悪影響を与える虫を取り上げたい。

 最も頻繁に接触する害虫は蚊である。特に雨上がりの家庭菜園で、肌を出していればあっという間に数か所を刺される。その反応の速さには驚くしかない。あらかじめ来るのがわかっていて、待ち伏せをしていたのではないかと思われるほどである。これに対する対策は、今も昔も最強なのは蚊取り線香である。設置型と持ち運びが可能なタイプがある。菜園内で使用する場合はもっぱら移動型である。腰に2個ぶら下げておけば、防御はほぼ完璧である。たまにこれを山歩きに使用している人がいる。これは絶対にやめてもらいたい。木の枝などに引っかかった場合、蓋が開き蚊取り線香が落下する恐れがあるからである。菜園内の作業でも、防鳥用ネットにしょっちゅう引っ掛け落下させることがある。要注意である。

 防虫スプレーも効果は抜群である。まったく蚊が寄り付かないほどの効果を発揮する。ただ唯一の欠点は、汗かきには向かない点である。すぐに効果が薄れてしまう。汗をかかなければ効果を発揮するのであるが、足や手の露出部分に塗布すると、首や顔をめがけて蚊がやってくるという欠点がある。何が何でも吸血をする、という強い決意の表れがそうさせるのであろう。蚊取り線香の場合は、煙があたり一面に漂うため、周り一帯から蚊がいなくなるが、防虫スプレーはそうはならない。塗布した場所のみを防御してくれるが、周りには影響を及ぼさない。したがって、首や顔にもスプレーをしなければならなくなる。これはけっこう苦痛である。

 続いてはハチである。菜園内や駐車場に巣をつくっていることが多い。巣には頻繁に出入りしているので、しょっちゅうハチに出くわす。刺激を与えなければ攻撃してくることはないのだが、材木置き場や菜園で使用する補助具を取り出そうとしたときに攻撃を受ける。もっぱらアシナガバチでスズメバチは見かけない。アシナガバチに関しては、某ホームセンターで購入したトラップが効果を発揮している。山歩き時に大きなスズメバチによく出くわす。おそらく近辺に巣があるのだろう。これには対策はなくひたすら無視をしてその場を立ち去るのみである。

 夜、アトリエ内で作業をしていると小虫やガが入ってくることがある。ハエたたきでは後の処理が大変である。かといってそのままにしておくと目障りでしょうがない。そんな時これも某ホームセンターで見つけた電撃殺虫ラケットが効果を発揮する。虫をめがけて一振り。パチッという音とともに虫が落下する。これは大助かりである。

 さらに同ホームセンターで画期的な防虫グッズを見かけた。世界初の虫型防虫グッズである。何ということはない、樹脂でできた本物そっくりのオニヤンマである。オニヤンマが昆虫を捕獲し主食としていることに由来するのだろう。人間から見れば、至極当たり前でもっともなことである。しかし、虫がこのことを知っているかどうか? 試しにわが菜園内で、ウリ科の植物を葉脈だけにするくらい多く繁殖しているウリハムシに近づけてみた。まったく逃げようとはしない。それよりも人間が近づいてきたことのほうに驚いて逃げ出す。棒の先にオニヤンマを取り付けて試したが、全く効果は見られなかった。オニヤンマはウリハムシを捕食しない(?)ので、遺伝子に組み込まれていないのかもしれない、と思うことにした。他の昆虫では効果を発揮するものと信じたい。最も一般的なものといえば蚊である。わが菜園内の池近くには恐ろしいくらい蚊が生息している。ここでの効果を期待して試してみた。オニヤンマをぶら下げたままでも蚊が足に近づいてきて刺される。さらにオニヤンマを近づけてみた。結果は反応があるといえばあるしないといえばない。オニヤンマが近づいたために逃げたのか、物体が近づいたから逃げたのかがはっきりしない。

 効果そのものよりはその発想に愛嬌がある。今では菜園作業や山歩き時に帽子に着けている。恐ろしいスズメバチやアシナガバチが寄ってこないかもしれない。そうすればこのオニヤンマのコスパは計り知れないことになる。しかし、この不思議な格好を見た人も寄ってこないかもしれない。

<効果抜群>

 

<安全ピンをクリップに交換>