スズメ(その2)
スズメの少子化(「ここだけのはなし」に後日登場)を何とかしなければ、と立ち上がったものの何をすればいいのやら・・・。やはり案心して子育てができる環境づくりか? 保育園は難しいので、食・住を提供することにした。エサ台については前回分を参照していただきたい。いつもにぎやかに食事をしている。静かに食べることができないようである。最近、あまりの騒がしさに、近所の目が気になりだした。住については、近所でスズメの巣を見かけなくなって久しい。どこか遠くで繁殖しているのかもしれない。あるいは目立たないところで、ひっそりと子育てをしているのかもしれない。もっと堂々と子育てができるようにと、全塗装(水洗いから始めて塗装完了までに1週間を要した)を実施し、まぶしいくらいに輝いているわがアトリエの一角を提供することにした。通常、鳥の巣箱は入り口を北側に向けるのであるが、わがアトリエの北側は物置であるため、環境を重んじて東向きとした。残念ながら、南東の角とはいかず、北東の角になった。マンションなら格の落ちる場所である。このあたりがどう影響するか心配である。材料はありあわせの廃材を利用した巣箱である。中古物件ということで、ここでも評価はやや低くなりそうであるが、格安物件であることは間違いない。広さは子スズメが7匹程度まで十分育てられる大きさである。もちろん、シーズンオフには内部をきれいに清掃できるように、前面が蝶番で開閉できるようになっている。希望があれば、塗料の臭いを消すためにファブリーズの使用も可能である。
春の繁殖に間に合うようにと、大至急で設計・施工・取付けを行った。ただ、廃材のため必要寸法が得られず、隙間こそないがちょっと寸足らずな部分もある。しかし、屋根は雨漏りしないようにポリカーボネイト波板を張ってある。決して立派とはいえないが、それなりのものができた。2月20日にモデルルームとして公開した。毎日10羽程度がエサを食べにやってくるので期待して見ていた。中には親子もいるかも知れないが、すべてがカップルだとすれば5組である。つまり、この戸建て巣箱の倍率は最大で5倍ということになる。もし、全組が希望すれば、どのようにして入居者を決めればいいのか? まさか抽選はできないだろう。では、先着順? 高齢者優先? 腕力勝負?・・・。悩ましいところである。
ここのすばらしさはなんといっても、食・住接近である。直線距離にして1.5m、時間にして1秒程度である。これだけエサが豊富であれば、7羽程度の子育ては十分に可能である。ちょっと窮屈ではあるが、10羽程度までなら育てる気になれば育てられる。それだけのエサは提供してもよい。もちろんその条件として、わが家庭菜園で収穫したムギを3割程度混ぜることに同意してもらわなければならない。チュン、チュチュ―ン、チュンチュン、スズメ語を勉強して、その時のための契約書を作っておこうか。しかし、モデルルームを公開して1か月、いまだ入居者が現れない。まったく興味を示さないのである。始めてのものには、恐怖感があるのだろう。もう少し見慣れてからの訪問ということになるのだろうか? 戸建てよりもマンションの方がよかったのだろうか? 中古で北東の角? ちょっと寸足らずな材料で格好が悪い?・・・等々、心配の種は尽きない。「UR賃貸住宅並み」と書いたのぼりを巣箱に取り付けてみようか・・・。