「吸血蚊」でも書いたように、蚊の活動期間の長さには驚かされる。通常、蚊といえば夏。7、8月の花火の時期に浴衣に団扇というのが一般的である。しかし、家庭菜園をやっていると、半年以上蚊に悩まされる。発生の早い年は、3月下旬にはその存在に気付かされる(遅い年は5月の連休頃になる)。この時期から延々と刺され続けるのである。では、いつまで刺されるのか? 2017年の記録では、11月27日(2016年は11月21日)となっている。それまではやや寒い日が続いたので姿を現さなかったが、2、3日暖かい日が続くとどこからともなくよたよたとやってきた。動きがあまりにも緩慢なので刺されることは免れた。しかし、明らかに刺そうとする意志は確認できた。大至急、携帯用の蚊取り線香2個を腰にぶら下げて作業の再開となった。蚊もこの時期を逃すと、年内の吸血作業が終わることを知っているようである。動きが鈍い割にはしつこい。普段なら腕ぐらいしか刺されないが、この時期は服装が冬仕様であるため、首や顔が攻撃対象にされる。

 11月に入ると、ショウガ、サトイモ、ウコンを収穫する。それと同時くらいに、蚊がいなくなる。そろそろ家庭菜園でも秋野菜の収穫がすべて終わる時期である。夏野菜は4月中旬ごろから、栽培に向けて菜園内の準備に入る。そこから11月の秋野菜の収穫まで、家庭菜園の繁忙期間と蚊の活動期間がほとんど同じである。ようやく蚊がいなくなり、作業はしやすくなるのであるが、夏ほど頻繁に菜園内には出入りしない。雑草の成長はゆっくりとなるし、野菜もそれほど早く育たないので手入れは必要としない。ほとんど植えっ放しである。わが菜園では、ムギ、エンドウ、ソラマメ、タマネギ、ニンニク等、が越冬中である。ホウレンソウ、コマツナ、シュンギク、ラディッシュは、寒さを避けるためにトンネル栽培をしている。必要なときに成長具合を見ながら収穫している。

 菜園内の野菜や果物を収穫し、それらで培ったパワフルで栄養豊かな血を蚊に提供しているのである。蚊が最も優位に立っているという、どうも納得のいかない生態系が続いている。どこかでこの関係を断ち切りたいのであるが、なかなかいい方法が見つからない。防虫スプレーの効果は絶大であるが、汗かきのためその効果がすぐに消えてしまうのと、野菜に付着するのが嫌で使用していない。腰にぶら下げた携帯用の蚊取り線香2個が頼りである。これで8~9割は防御が可能である。残りの1~2割は、風向きと手を伸ばしての作業時であるからどうにも防ぎようがない。

 菜園作業の始まりは、まず香取線香に火をつけるところから始まる。そして、最後は火を消すことで終わる。蚊取り線香にいくら感謝をしてもし過ぎることはない。さすがにすごい、除虫菊!! 頼りになる蚊取り線香!! しかし、キンチョウはもっと頑張れ!! (蚊取り線香界の最高額品なんだから!)

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