ドクダミはその独特な臭いのため、素手では触りたくない。名前、臭いから、いかにも毒がありそうである。しかも、日陰で真っ白い小さな花(花弁ではないらしい)を咲かせる。それがまた、より一層毒々しく感じさせる。家庭菜園の野菜たちは、みんなどこかしら虫に食われて、あちこちに穴があいている。ひどいものになると、葉脈だけが残りレースのようになっているものもある。それに比べると、どのドクダミを見ても全く無傷である。虫にとっても食欲をそそらない臭いなのだろう。しかし、調べてみると、食用、薬用に用いられるらしい。有名なところではドクダミ茶がある。何事も試してみなければ気が済まない性格のため、ドクダミ茶を作って飲んでみた。生のあの独特の臭いは全くしない。決してうまいというほどのものではないが、飲めないことはない。というわけで、わが家庭菜園では必要としない植物である。したがって、分類をすると雑草ということになる。家庭菜園の日陰部分にたっぷりと生えている。伸びてくるたびに引き抜くのであるが、一向に絶えることがない。毎年生えてくる。どうもわが家庭菜園には難敵が多い。この雑草も一筋縄では退治できそうにない。心の準備を整え、決戦の日を設定した。引き抜くだけでは退治できないので、生えている部分を掘ってみた。すると、あちこちのドクダミが、地下でつながっている。これでは引き抜くことで根絶はできない。地下茎をすべて撤収してしまわない限り、またそこから生えてくる。ドクダミが生えている一帯を掘り起し、すべて回収することができれば根絶できる。しかし、その部分にはいろいろな植物が根を伸ばしている。掘り返すことで、それら植物の根を切って枯らしてしまう恐れがある。結局、ドクダミの戦略に対抗するする術がないまま、あっという間に完敗である。今後は、ただひたすら引き抜くだけである。この作業も年中行事の一つとして加える必要がある。また一つ、気の重い非生産的な作業が増えた。
<ドクダミの花>
<地下茎>