19.ビワイチ

<その1>

 琵琶湖と聞くと何を思い浮かべるだろうか? 日本最大の湖で・・・、あとはよくわからない。クイズでよく出されるのは、「琵琶湖の面積は滋賀県の何%か?」というのがある。これは琵琶湖があまりにも大きいという先入観をうまく利用したクイズである。実際にはそれほど大きな面積を占めているわけではない(答えはコラムの最後に記載)。それ以外でよく聞くのは、京都人が滋賀のことをからかうと、「琵琶湖の水を止めるぞ!」(生活用水の供給を止めるという意味)というのがよくある。これは間違った使い方で、京都へは琵琶湖疎水が引かれており、滋賀県の権限ではどうにもできないらしい。もし、京都へ流れ出ている瀬田川を止めればどうなるか? これは大変なことになるのである。京都ではなく滋賀が。理由は、琵琶湖へ流入している川は119本(一級河川のみ)もあるにもかかわらず、流出している川は瀬田川のみだからである。止めれば琵琶湖が溢れるのである・・・。本当かな?

 日本一の湖が近くにあるのなら回ってみたい。それが今回のビワイチである。特別な目的があるわけではない。距離がちょうど1泊2日程度なのである。ということで一周することにした。琵琶湖周辺の地図を見ていると、「道の駅」が多いことに気が付いた。そこには、その地方の特産品が置いてあることが多い。それを見ればその土地のことがよくわかる。ビワイチの経路から遠く離れたところは無理だとしても、近くであれば寄ってみる価値があるだろう。湖の東西南北で自然や街並みも大きく変わるだろう。それらをじっくり、ゆっくりと見て回ることにする。

 アワイチでも書いたように、「島は時計回り、湖は反時計回り」が鉄則である。すぐ左側に湖を見ながら走ることができる。ここでも、「しまなみ海道」同様に道路に目印をつけてくれている。瀬田唐橋を起点/終点とする場合が多い。もちろん途中からスタートしても一向にかまわない。矢羽に沿って走れば元のところへ戻ってくることができる(これにはちょっと疑問があるので詳細は別途記述)。琵琶湖までの交通手段によって起点が変わることになる。新幹線で来る人にとっては、米原ということになるだろう。ここには駅直結型のサイクルステーションがある。ここで自転車の組み立てや整備もできるようになっている。何よりもシャワー付きの更衣室があるのがいい。瀬田唐橋からスタートしているのでここはスルーである。

 ビワイチはおよそ200km(正確には193kmらしいがこれにも疑問がある。そのため今後は200kmを使用する)である。アワイチに比べると50km程度長い。しかし高低差(215m程度)がほとんどなく、平坦な道をひたすら走るので距離のわりには楽である。きれいに整備されたサイクリングロードもあれば、交通量の多い一般道路もある。そのほとんどが、琵琶湖のすぐ近くを走るように設定されている。ビワイチは最も長いコース(200km)で、これ以外にも「湖東・永源寺コース(94km)」「湖北・余呉湖コース(72km)」「湖西・大津コース(90km)」「湖南・金勝山コース(70km)」「甲賀・信楽コース(71km)」「蒲生・東近江コース(44km)」などがある。それぞれの土地特有の景色を楽しみながら、自分の体力に合ったコースを選べるのがうれしい。

答え:16%(約1/6)

 

<シャッターチャンスはほんの一瞬>

 

<この矢羽に悩まされる>

 

<その2>

 琵琶湖大橋を境に北側を北湖、南側を南湖というらしい。北湖一周が150km、南湖一周が50kmである。ぐるっと一周すると、200kmということになっている。ビワイチは、標高差がわずか215m程度しかないのである。ほとんど平坦な道を走っている感じである。サイクリングロード沿いの多くの店が、サイクリスト歓迎のサイクルサポートステーション(注1)を兼ねているのがありがたい。琵琶湖一周をサイクリングすると認定証を発行してもうことができる。これは「輪の国びわ湖推進協議会」が発行している。ビワイチ中に14か所あるチェックポイントの内4か所でクイズに答えればいい。ただし、発行手数料として1000円が必要である。ものは試しと最初のチェックポイントでやってみたが、クイズに回答するページが出てこない。いくらやってもチェックポイントが表示されるだけで、そこから先へ進まない。ここでムダな時間を費やし、大きく出遅れることとなる。

 琵琶湖は湖東と湖西でかなり大きく景色が変わる。湖東は平野が多く街並みや畑が広がっている。サイクリングロードはよく整備されている。湖北はビワイチで唯一上りがある。琵琶湖は南北に長いのでいったん向かい風になるとずっと向かい風を受けることになる。非常に過酷なコースに変貌する。しかし、うまい具合に追い風になればこれほど楽なことはない。今回はそれほど強い向かい風に合うこともなく走ることができたのであるが、初日はずっと湖からの風(北西の風)を受け続けた。冬でも走っていると汗が出、止まると汗が引き寒気がしてくるのであるが、これが逆になることが多かった。理由は、湖面を通った風が非常に冷たいからである。走行中に琵琶湖から吹いてくる風を受けると非常に寒いのである。止まると風が弱まり寒さが和らぐ。

 ビワイチにもちょっとだけにありがたい目印(矢羽)がある(なぜちょっとだけなのかは(その8)で詳細を記述)。それはしまなみ海道と同じく道路に目印がしてあるのである。これを頼りに進めば、自然と一周できることになっている(これについても(その8)で詳細を記述)。しまなみ海道ほど太っ腹ではないが、なんとか貢献したいという気持ちが伝わってくる。しまなみ海道は起点から終点までブルーのラインであった。しかし、ここは数十メートルごとに示された矢羽である。

 「しまなみ海道」「アワイチ」などは海岸沿いで、海の幸が豊富であった。鮮魚や貝類を思いっきり堪能することができた。ここは湖であるから淡水魚ということになり、今までのようなわけにはいかないのが残念である。さて、何を食べられるかお楽しみである。

 今回のビワイチは、瀬田唐橋を起点に「ぐるっとびわ湖サイクルライン」を走ることとする。この橋は日本三古橋のひとつらしい。出発時は学生の登校時間帯であり、自転車の大行列に遭遇した。信号が変わって列が途切れるまで写真を撮ることができなかった。

注1:280を超える業者が登録し、修理工具の貸し出し、トイレの使用や給水ができる。

<湖東のサイクリングロードは快適>

 

<湖岸には葦が生えている>

 

<その3>

 午前6時45分、スタート地点(瀬田唐橋)に最も近い石山駅に到着である。駅前の広場でロードバイクを組み立て、1km先の瀬田唐橋を目指す。明日の夕方には、無事にここへ帰り着くことを誓いスタートである。琵琶湖を左手に見ながら湖に沿って走る。2kmも走ると、近江大橋が見えてくる。渡ってみたかったが、まだ走り出したばかりなので、ここはスルーして先を急ぐことにした。13km地点に最初の目的地がある。「道の駅草津」である。しかし、まだ時間が早く営業前であったのでここもスルーである。さらに10km程度走ると「琵琶湖サイクリストの聖地碑」がある。何やら奇妙な格好をした女性の像が立っている。ここまで25km、約1時間の行程である。ここから先は観光名所を数か所訪れる予定である。まず、「近江八幡伝統的建造物群保存地区」である。ここは昔ながらの古い街並みが続き、堀側から見る景色が美しい。堀のすぐ脇の土蔵がいい雰囲気を醸している。ロードバイクで走るのはちょっと気が引けそうなところである。街並みに敬意を表し、押して歩くことにした。この近くにラ・コリーナ近江八幡がある。和洋菓子で有名なたねやグループが経営している。広大な土地に奇怪な形をした建物が出現する。屋根には芝生らしきものが一面に植えら、あちこちから水がしたたり落ちている。もちろん人の出入りするところにはとい(とゆ)が付けられ掛からないようにされている。ここにもビワイチのお客さんが来るのだろう。バイクラックが設置されている。ここはバームクーヘンが有名である。いつも行列で食べることができないらしいが、この日はすんなりと入ることができた。うわさの焼きたてバームクーヘンセットを食べることにした。ほんのりと温かく柔らかいバームクーヘンであった。疲れた体に糖分は最高にうれしい。しかし、食べ過ぎは禁物である。これを今日のランチにして出発である。

 湖岸のサイクリングロードはさざなみ街道と名付けられている。湖東は非常によく整備されていて走りやすい。車道と完全に分離されているので、安全面でも非常にありがたい。しばらく湖東の景色を堪能しながら走ると「道の駅近江母の郷」である。駐車場に入ると大きな看板が目に入った。見ると「本日休業」となっていた。道の駅シリーズは最初から連敗である。ここもスルーである。

 ここまでで70km走っている。走り出して20kmあたりから、両方の腿の外側がぴくぴくとつりそうな気配がしていた。それがここにきてかなりひどくなっている。昨夜の寝不足が原因であると思われる。ここから先は適当にごまかしながら走るしかないようである。柔軟体操とストレッチをして、本日のメインイベントである「長浜」を目指す。

<開店前でした>

 

<まねできなかったのでせめてロードバイクだけでも・・・>

 

<ぼーとして走る気がしなくなってきた>

 

<某国の秘密基地?>

 

<まだ100km以上走るのにランチはこれだけ>

 

<本日休業>