142.しめ縄

 正月、いつものように山歩きをしていた。某お寺の奥の院が山の中腹にある。そこへのルートは3種類ある。その中で最も山に沿って新興住宅が開けているコースへ降りた。正月であるにもかかわらず、ほとんどの家の玄関にしめ縄は取り付けられていない。10軒に1軒程度である。わが家の近辺は江戸時代から開けた場所で、親子4、5代以上の旧家が多い。近所同士の付き合いも多く、いろいろと多くのしきたりがある。そんな中で育ったせいもあり、正月には玄関にしめ縄を飾るというのは当たり前のことであった。

 そもそもしめ縄をなぜ飾るのかを知らなかった。周りがやっているから・・・、という感覚で飾っていた。ここでその理由を知っておく必要があると感じるようになったので調べてみた。歴史が長いだけにいろいろと書かれているが、自宅用は厄や禍を祓う結界の意味があるらしい。その形状はいろいろとあり、一文字、大根締め、ゴボウ締め、輪飾り等である。わが家の近辺では、一文字に編んだ縄に裏白、橙、紙垂を付けたものが一般的である。最近では輪飾りが多くなってきた。

 昔ながらのものであるからそれなりにしきたりも多くある。まったくそれを知らずに今まで過ごしてきた。それなりにご近所と同じことをしているつもりであったが、今回調べてみて大きな間違いに気が付いた。それはしめ縄を飾る日である。1月1日に飾ってあればいいものと思い、12月31日の夕刻に取り付けていた。ご近所を見るともうすでに取り付けられていた。「皆さん気が早いな」、程度の感覚であった。しかし、今回調べてみてわかったのは、「玄関先に正月飾りとして飾るしめ縄は、飾り始める日は松飾りを飾る期間と同じ扱いでよいが、地域によって異なり、一般的には28日までに飾る。29日と31日に飾ることは縁起が悪いとされ、31日に飾ることを一夜飾りといい、迎え入れる神様に失礼であるとされる。飾りを外す日も地域によって異なり、1月7日に七草がゆを食べた後、もしくは15日の小正月の後に外すとされる。飾り終わった正月飾りはどんど焼きの行事の際に書初めとともに焼く風習も見られる」となっていた。最もやってはいけない日にしめ縄を飾っていたのである。

 「一年の計は元旦にあり」 正月行事としてのしめ縄を飾った日は年末である。この間違いを年末とするか年始とするか、それによって「一年の計」が大きく変わってくる。ここは行為を優先し年末としておこう。これによって今年の夢を大きく膨らませることができる。