その38

<38-1>ヒョウタン文化誌(湯浅浩史)
 
インドやスリランカでヘビ使いが奏でる笛は、ヒョウタンの本体にリードのある管を2~3本付けている。これを演じてヘビを操る。しかし、考えてみれば、ヘビには耳がない。それなのにヘビ使いが笛を吹くと、ヘビは容器からかま首をもたげて、くねくねと頭を揺らす。これはヘビ使いが足で振動を与え、ヘビはその振動で条件反射的に動き出す仕組みという。
 
<38-2>歴史の読み解き方(磯田道史)
 
現在の新幹線は、津波に配慮してつくっていない。だから、浜名湖や、熱海周辺での危険性が指摘できる。東日本大震災のような津波を想定すれば山側に寄せた迂回路をつくらないといけない。
 
<38-3>新老人の思想(五木寛之)
 
60歳を過ぎても、まだ気力、体力があればこその雇用延長である。しかし、自分に働く能力と体力が残っていると感じる場合、人は飼い殺しには耐えられまい。どんな人間にもプライドはあるのだ。捨て扶持を食うくらいなら、たとえ前途が不安でも自立しようと思うのではないか。
 
<38-4>サイバー・インテリジェンス(伊東寛)
 
サイバー攻撃で本当に怖いのは、システムそのものへの攻撃やウイルスではなく、データが改変されることだ。システムがいくらファイヤーウォールなどで侵入から守られ、ウイルスが排除される仕組みがちゃんとあったとしても、入ってくるデータが間違っていれば、当然のことだが間違ったアウトプットを出す。その結果が思いもよらない被害を発生させることもあるのだ。スマートメータは、そんな攻撃に使われる可能性がある。
 
<38-5>西日本大震災に備えよ(鎌田浩毅)
 
今世紀の半ばまでに、太平洋岸の海域で、東海地震、東南海地震、南海地震という3つの巨大地震が発生すると予測している。すなわち、東海地方から首都圏までを襲うと考えられている東海地震、また中部から近畿・四国にかけての広大な地域に被害が予想される東南海地震と南海地震である。これらが30年以内に発生する確率は、M8.0の東海地震が88%、M8.1の東南海地震が70%、M8.4の南海地震が60%という高い数値である。しかもそれらの数字は毎年更新され、少しずつ上昇しているのである。今世紀の半ばまでには必ず発生すると断言しても過言ではない。
 
<38-6>日本の宝・和牛の神髄を食らい尽くす(千葉祐士)
 
従来のようにロースの部分を中心にサシが大胆に入った霜降りではなく、むしろ控えめな霜降りで、本来赤身であるもも肉のほうに脂分が乗った肉づくりをめざす。現在の最先端の生産種が目指しているお肉づくりの理想はここにあり、早晩これが美味しいお肉の基準になっていくはずです。
 
<38-7>シャープ崩壊(日本経済新聞社)
 
ノンフィクション作家、佐藤正明は、著書「ホンダ神話 教祖のなき後で」(文春文庫)のエピローグで、イトーヨーカ堂(現セブン&アイ・ホールディングス)の創業者である伊藤雅俊の言葉を引用している。創業者の経営は「狂気」であり、「語り継げても受け継げない」と。華々しい創業者の活躍は簡単に語れても、実際に経営として再現することはほとんど不可能である、という意味だ。