タイパ
タイムパフォーマンスについて考えてみたい。今、Z世代が非常にタイパを意識しているという。映像などは1.5倍、2倍速で見るという。いろいろ見たり確認したりすることが多いので、ゆっくりとやっていては時間が足りないのであろう。1倍速で見ても理解できない人間からすると、想像の域をはるかに超えている。タイパはわが人生には全く無縁である。せいぜいデイパ(デイパフォーマンス)程度である。
家庭菜園を行うにあたり、種蒔きから収穫までけっこうデイパを気にして作業を行っている。野菜の種類によって種蒔きの時期が決まっている。その種を蒔く前に、菜園を耕し、酸度を調整し、肥料を投入する。それらにはそれぞれ1週間くらい日数を空ける必要がある。土とそれらが程よく融和するのに時間が必要になるからである。週間天気予報を確認し、これらが効率よく行える日を決めることでデイパがよくなる。種蒔きが終わった翌日に雨が降れば最高のデイパと作業の軽減になる。種蒔き後や育成中にもデイパを考慮するときがある。土に黒マルチ(黒いビニールシート)を被せることで地温が上がり、発芽が促され、苗の育成が促進される。立派なデイパである。
栽培する野菜にもデイパがる。デイパの悪い野菜はニンニクやタマネギである。秋に植えたものが収穫できるのは翌年の5、6月ごろになるので9か月を要する。イチゴも同様である。秋に植えた苗が成長し、真っ赤なイチゴを収穫するのは5月である。デイパのいいのは、キュウリやナスビ、トマトである。5月の連休に植えると7月には収穫できる。非常にデイパがいい。さらにデイパのいいのはコマツナやシュンギクである。1ヵ月もすれば収穫が可能となる。
ところで主題のタイパに話を戻す。これは人によって非常に困難を極める。これはデイパに比べて時間の長さが短いだけに瞬時の判断を要求される。調理を参考にすると話が分かりやすい。魚を焼きながら、肉じゃがを煮込み、次の炒め物のために野菜を刻むような場合である。3つのことを同時並行的に行うことで時間の節約が可能となる。ただし、それぞれの作業に目配せをし、焦がしたり、手を切ったりしないことはもちろんである。若ければこのようなことは考えることもなく、からだが自然にやってくれるものである。野菜を刻みながらも魚の焼け具合や肉じゃがの煮え具合も確認できる。しかし年を重ねるということは恐ろしいもので、ひとつの作業をやっていると前の作業が吹っ飛んでいるのである。常に何かで刺激を与え続けない限り記憶の外から戻ってくることはない。記憶を呼び戻すのに通常使用しているのはタイマーである。これを適度な時間に設定し、鳴らすことで記憶をよみがえらせるのである。
この完璧な考えも設定時間を間違えることで全く無駄になることがある。もっとひどい時になると、今鳴ったタイマーは、何をするために鳴ったのか忘れてしまうことである。それを考えているあいだにまた無駄が生じてしまった。こんなことを考える前に残りの人生をいかに効率よく生きるかを考えた方がよさそうである。