148.企業努力

 円安・株安・債券安のトリプル安、物価高騰、実質賃金の目減り等、暗いニュースばかりである。企業も個人もひたすらがまんと節約を強いられる。個人の努力はさておき、最近経験した企業努力について書いてみたい。

 先日、某大手衣料品店でジーンズを購入した。これに関して驚くべきことが2点あった。一つは感動、もう一つはうれしい誤算としておこう。最近、腹の出っ張りがみっともないくらいになってきた。当然ジーンズのサイズはわからない。適当なものを2本持ち試着室へ入った。過去の記憶が恐ろしい現実と向き合った。どちらも全く入らないのである。さらに大きなサイズを持ち込み、ようやくタックボタンを留めることができた。ここまで変身したのかとわが身の情けなさをかみしめた。ところがすぐにそんな気持ちはどこへやら。鏡を見てニッコリ。後姿を映してみてうっとり。いつも引きずるほど長い裾がちょうどいいのである(洗濯後の縮みを考慮して)。足が長くなったようでなんとなくうれしい。企業からすれば毎回5~6cmは切断していたので、その分が節約できて収益になるのである。これはともにウイン-ウインである。

 このジーンズを買って帰り、翌日から早速はいてみた。なかなかいいはき心地である。ところがそんないいジーンズであるが問題が生じた。トイレである。「大」は問題ないのであるが「小」で問題が発生した。ファスナーを下ろして用を足そうとしたが、ファスナーの下限が高すぎてできないのである。仕方なくタックボタンを外し、ジーンズをずり下してすることになった。帰宅後よく見ると通常のものと比べてファスナーが短い。これではずり下すしか手はない。数センチ短いだけであるが、企業からすればものすごい節約になるのだろう。ファスナーはもはや用を足すためのものではなく、ジーンズを脱ぎ履きするための部品としか思えない。ジーンズをずり下してするくらいなら、「大」用トイレで便座に座ってした方が楽である。と、ここで各家庭でのもめごとの解消になることを思いついた。男性のトイレの使い方である。多くの奥様方は「小」をするとき、飛散防止のため便座に座ってもらいたい。しかし、男性は邪魔くさいので立ったまま用を足す。この継続中の難題が一気に解消されるのである。タックボタンを外し、ファスナーを下げる。ここまでくればあとはズボンを下げ便座に座るだけである。立ったままか座るかでもめている家庭は、ぜひこのジーンズの購入をお勧めする。これで家庭内は非常に円満になること間違いなしである。